贖罪の羊【twst】 (ページ5)

今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:83,243 hit

羊がよんひきページ5

Aside

熱を出した。昨日の夜、殴られて、その後気絶して外にずっと居たから。まぁ、ストレスってのもあると思うけど。
ジャック君が心配して見に来てくれたけど、うつすといけないから帰ってもらった。

幸い殴られたのはお腹とか見えない場所、暫くは授業に出れそうにないななんて思いながら目を閉じた。

--------

_『お母さん、このクローバー葉っぱが四つだよ！』

_｢あら、それは四つ葉のクローバーって言って。見つけると幸せになれるのよ｣

_『ホント！？…えへへ、いっぱい集めてお母さんにあげるね！』

_｢うふふ…｣

--------

目が覚める、時計を見ると一、二時間しか経っていなかった。

懐かしいものを見たな

夢っていうのは不思議なもので、その時のやり取りが数分だろうと現実ではその倍以上に時間が経っていることがある。

『…母さんの嘘つき』

ベットから出て、古びた缶を取り出す。中には萎れた四つ葉のクローバーが大量に入っている。
母さんの言葉を信じて、四つ葉のクローバーを探した、集めたけど。

『全部まやかしだ』

缶をゴミ箱に投げ、またベットに飛び込んだ。
どれくらい寝てたんだろう、多分三時間くらい。汗をかいたのか服が気持ち悪い。

『…シャワー浴びよ』

服を脱ぐと、痛々しい痣。軽く押すと結構痛む。
昨日の人達がもう絡んでこなければいいけど、暫くは夜の散歩は控えよう。

昨日の記憶を捻り出す、僕を殴ったあの三人は…オクタヴィネルだね。ベストの色が白っぽかった。
素早く髪を乾かす。お腹空いた、もうだいぶ体調も良くなったし、食堂行こうかな

『サンドイッチください』

空いていた端っこの席に座り、一人で食べる。今日も食堂は騒がしい。

グリ｢Aなんだゾ！おーい！｣

監｢グリム、先輩ご飯食べてるでしょ！静かに！｣

『あはは…』

大声で僕の名前を呼ぶグリム君に軽く手を振り、食事を続ける。昨日の事は覚えてないみたいだね。

あーあ…

幸せそう(羨ましい)

--------

羊が一匹、柵を飛び越えられなかった。

羊が二匹、動くのを拒んだ。

羊が三匹、群れから追い出された。

羊が四匹、狼の餌食に。

羊が五匹、泥沼に嵌ってﾀﾋんだ。

ドロリ、また黒く染った気がした。

--------

クル｢…い、おいっ！！シェーヴル！｣

『…あ、どうしましたか？』

クル｢お前……少し来い、話がある｣