夕立;13 ページ25
「なぁ、Aは？」
手に夕飯の大皿を持ったサッチがふと尋ねる。
その問いにマルコが眉をひそめる。
「来てねぇのかよい」
「あれ？一緒じゃねーの？」
「ほら、エースたちとかくれんぼした後、疲れちまったみたいで部屋で昼寝してくるって言ってたよい」
もう昼寝すると言った時間から相当時間が経っている。―――――――嫌な予感がした。
「…迎えに行ってくるよい」
マルコが立ち上がり、Aの部屋のドアを叩く。
Aにも一応部屋は与えられていた。とはいえ、結局誰かの部屋に居座っていることが多いので、寝るのと着替えにしか使っていない。
「A、飯の時間だよい」
返事はない。ドアノブに手をかける。鍵は開いていた。
部屋に入ると、部屋の明かりはついておらず、薄暗かった。
「A、どうした？」
マルコはベッドに近づく。ベッドの上で縮こまるようにAはいた。
「………マル、コ……？」
「飯の時間になっても来ねぇから心配したよい。…どうした？」
「…………………だるい」
吐く息が荒い。顔も赤かった。汗をかいているようでマルコは張り付く前髪をかき分け、そっと額を触る。
「………熱いねぃ」
「………んぅ、…」
「……熱は？いつからだよい？」
Aはわずかに首を振る。どうやら本人もイマイチ分かっていないようである。
「待ってろよい、今氷枕持ってくるからな」
医務室の氷枕を持ってこようと思ったが、厨房の冷凍庫の方が冷えてるだろうと思い向かう先を変えた。
「おう、Aどうだった？」
「Aが熱出した」
「え、何だって…」
サッチが目を丸くする。
「多分、これから熱はまだ上がるよい」
ここまで言って状況は察したらしい。サッチは冷凍庫から氷枕を出すと、使っていないタオルを巻いてマルコに渡す。
「ほい。…えっと、後は水差しもあった方がいいか」
「あの分だと脱水が怖えな。…ただでさえ、Aは1度にとれる量が限られてるからよい」
「てことは、あっちの補水液とかの方がいいよな？すぐに作れるから後で持ってくわ」
「助かるよい」
こういう時のサッチの手際の良さには脱帽せざるを得ない。
途中、寒くなると困るので使っていない毛布もついでに持っていくことにした。
マルコはAの部屋に戻ってきた。
「A、大丈夫かよい？」
「………ん、頭、痛い…」
マルコは解熱剤もいるなと思いつつ氷枕を敷くためにAの頭を触る。
「氷枕敷くから頭あげるよい」
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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます！夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT｀)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (
レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです！！夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉うさぎ | 作成日時：2021年10月3日 12時
