【呪術廻戦】平安生まれの自称最弱は今日も誰かを救う

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・宿儺視点




そいつは昔から変わっていた



嫌われ者忌み子と言われた俺に近づき無垢な笑顔を向ける



『すーくん！すーくん！見て見てお化け捕まえた！』


宿儺「Aそれはお化けじゃない。呪いだ」




軽々しく"特級"を捕まえ遊ぶA



他のものでは俺の隣に立つことすら叶わなかったがこいつはいつも俺の隣で笑う




半端者では俺の呪力にあてられ正気でいることすら出来ぬのにこいつはなんともないように笑う






『じゃあまた明日ね！すーくん明日こそはかけっこ勝つからね！！』



当たり前に明日の約束をするそいつ


また笑って俺の元へ来て負けたと悔しがって泣いてそしてまたきっと笑って帰るのだろう



胸の当たりがくすぐったい



よく分からん感情が俺の中に疼く



明日あいつが来たらこれがなんなのか聞こう



人の心についてはやけに詳しいやつだ




きっと俺に答えをくれるだろう
















その明日は一向にくることは無かった




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




Aがいなくなってから全てがつまらない



俺が木を片手で倒してケラケラ笑うあいつはいない



怯え俺を恐れる村人共がいるだけだ


俺が領域展開して喜んで探索するあいつはいない


生贄を差し出す馬鹿な人間共がいるだけだ


俺が命を奪って泣いて怒るあいつはいない


自分じゃなくて良かったと安堵する卑怯者がいるだけだ





つまらん、つまらん、つまらん、つまらん、つまらん、




俺を殺しにくるものを殺す、寝所に入り込んだ女を殺す、戯れに子供を殺したものを喰らう




俺が何をしようと何をなそうと全て肯定する者共



あいつのように馬鹿だの変だの言ってこない




つまらん、つまらん、つまらん、





『すーくん？』




瞬間色が舞い戻った



ああ、この声だ、この顔だ、この体だ、この匂いだ




全身が歓喜に震える



もう手放すものか二度と逃がすものか



「暫し眠れ我が最愛。」


この中にいる間お前は何処へ行こうと必ずこの場所に戻ってくる



この世界を俺のものにしその隣にお前がいる




それだけでいい




我が最愛俺が世界を殺すまで暫し眠れ

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