愛されない努力3

過去2 ページ22

・


「○○さんって愛想悪いよね」


「空気読めない人ってめんどくさい」


「○○さんの母親の仕事ってあっち系でしょ？だから娘もビッチなんじゃない」


「○○さんって馬鹿だよね。周りに合わせれば目立たずにすむのに」


「○○Aって虐待されてるらしいよ。ほら、画像出回ってる」


「傷だらけで学校来てさ。かまってちゃんかよ」





愛想が良ければ嫌われなかったの？


私は笑ったら気持ち悪いって殴られたよ


空気を読めば嫌われなかったの？


黙ってたら無責任で喋ったら目立ちたがり屋って言われたよ


母親がまともな仕事をしてたらビッチって言われなかった？


更衣室盗撮して流出させたのあんたたちだよね



周りに合わせればいい？


貴方達にとっての普通は私にとって普通じゃない。



ご飯の食べ方を笑われたいつも同じ服なのを笑われた授業参観に誰も来ないのも父親がいないのも親から愛されないのも私にとって普通なのに貴方達にとっては異常なんでしょ？




ずかずかと無神経に話を聞いてくる癖に虐待とかいじめとか重い話がでたら逃げていく大人もかまってちゃんで全部私のせいにする子供も



みんな、みんな大嫌いだ









「よぉ。久しぶり」




『・・・』




「実はさ、ちょーと借金がやばくなってきてさ。お前もう18になるだろ？だからな？パパを助けてくれるよな」




何年ぶりにかに父親にあってほんの少しほんの少しでも私のことに罪悪感を持ってくれていたら




「母親に似ていい体になったじゃねぇか。これなら稼げるな」



下卑た視線をおくるこの男を少しでも許せたかもしれない





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




『はぁっ、はっ………はぁ』



必死になって走る



ここがどこかとわからない


ネオン色のあやしいひかりが照らす夜の街を必死で走る



制服を着た女子高生がこんな所にいたら視線は集まる。乱れた制服もじっとりとつたう体液もまさぐられた感触も



全部、全部全部全部全部全部全部



嫌いだ、大嫌いだ、あいつも、あいつらも、






惨めで汚い自分も




全部………









バタン




『ただいま……………』




家には明かりがついていた





机の上にはメモが残されていた




"生まれてきたあんたが悪い"




アルバイトで貯めた貯金を入れてた通帳と印鑑はきれいさっぱり無くなっていた






あれ、わたし









なんで生きているんだろう

過去3→←過去1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す