・ ページ19
穏やかだった
ただその一言に尽きる
婚約者と過ごす時間はレオナのこれまでの心の隙間を埋めるようにゆっくり自然と凪のように穏やかにレオナを包み込んだ
朝、オンボロ寮に迎えに行くのも
昼、一緒にお昼を食べるのも
放課後、マジフトの練習を応援されるのも
休みになる度外へ出かけるのも何気ない会話もふとした時に見せる笑顔も
全てが愛おしくレオナの心は満たされた
自分の気持ちにはとっくに気づいていて同時に相手に気がないことにも気づいていた
それでもそばにいたくてそれを言葉に出すことはしない
言葉にしないからこそAは建前上の婚約者だと信じて疑わないし元来レオナは言葉が足りないことがある
すれ違ったまま体験入学の最終日を迎えた
『ふふっ』
レオナ「なんだ?突然笑って」
『ううん。あっという間の1ヶ月だったと思って明日からはもうユウに会えないのね』
レオナ「そこは俺に会えないって言えよ」
あら、そうね。と笑うAに微笑みながら尻尾を腕に絡ませる
レオナのAへの行為は火を見るより明らかだったがAは恐るべき鈍感だったのだ
そもそも自己肯定感が低いAは自分がそう言った感情を向けられる対象だとは思ってない
レオナが好意を伝えるような行動をしていても婚約者に気を使って大変ねくらいにしか思ってない
『次に会えるのはいつになるかしら。"待ってるわね"』
レオナ「・・週末には戻る」
四年婚約者を待ち続けた彼女の待ってるの言葉はレオナにはかなり効くようだ
『ふふっ、もしかしてまだ気にしてるの?私は私で楽しくやってたから大丈夫よ』
Aが鈍感なのは色事だけで他のことに関してはやけに鋭い。素直に言葉に出来ないレオナとはいい相性だ
レオナ「・・A」
『なあに?』
レオナ「本当にいいのか?」
"俺が婚約者で"後に続く言葉は出ない
『・・前にも言ったでしょう?私はもう国には戻りたくないのよ』
レオナ「俺じゃなくても良かったんだろ?」
冷遇を受けていたAは国から逃れるためにレオナとの婚約を受け入れたとレオナは解釈しているしそれは間違ってはいなかった
レオナの問いに目をぱちくりとさせた後にっと笑うA
『そうね。誰でもよかったわ。自由にしてくれるなら。でも、今は"貴方で良かった"と思えるの』
976人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零(プロフ) - すごくいい尊死してもうた…( ´ཫ` ) (2022年12月26日 20時) (レス) @page26 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
わーー(プロフ) - あぁ…心が安らぎましたあああああ好きです!!!!!! (2022年11月17日 19時) (レス) @page26 id: 79a34b7d95 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 幸せ……( ´ཫ` ) (2022年7月19日 4時) (レス) @page26 id: 50f3e04b49 (このIDを非表示/違反報告)
ローズの薔薇 - おじたんと結婚でs(((婚約だわ!!おじたーん!(((作者様神ですか?おじたん書くとかウチなら無理です。はい (2022年4月11日 14時) (レス) @page26 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
山茶花(プロフ) - ゆいかさん» ありがとうございます! (2021年2月21日 12時) (レス) id: ffdbcabc04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:山茶花 | 作成日時:2021年2月19日 22時