世界から見放された吸血少女は異世界で飼われる3

愛されたい93 ページ3

【A】




『ぐすっ、すみません…とりみだして』



グレイさんに話して少しすっきりした。



グレイさんは私を責めることはなく優しく話を聞いてくださった。


不安になってこういった行動を起こすのは珍しくないのだと、特に私のような不安定なものは自己嫌悪に陥りやすいとも



グレ「とにかく今の話は誰にもしてはダメだよ。」



『せ、先生にもですか？』



この後クルーウェル先生の所にも行こうと思ってたんだけど



グレ「駄目だ。生徒はもちろんだけど教師は尚更だめだ。人間という生き物はね歳を重ねるごとにずる賢く自分のために生きるようになる。」



弱みを見せるようなことは私たち吸血鬼はしてはいけないと教えてくださった



グレ「それに・・この前見てしまったんだ。クルーウェル先生と学園長が言い争ってるところを」


『え・・』




グレイさんによるとペットの話でどちらが世話をするか揉めていたらしい。



ペットって・・私のことだよね



仔犬って呼ばれるし学園長は自分のこと飼い主だって言ってたし



揉めてたって、やっぱり私の世話をするのが面倒で押し付けあってた…？



グレ「何か心当たりはあるかい？」



心当たり・・



『あ、そ、そういえば、最近二人とも私に怒ってらしたような、』



二人とも私の顔を見て眉をひそめてらしたし(実際はキスマークを見てました)



口にされないだけで、相当な負担がかかっていたのかも。そうともしらず、私は2人に甘えて、



グレ「最近、君が吸血鬼だということも学園中に広まったし気をつけてね・・って何その首の痕！？」



グレイさんが私の首をみて驚かれる


私も良くは見ていないけど痛々しい噛み跡があるらしい



『あ、これは、クルーウェル先生に』


あと、マレウス様にも吸われた



グレ「酷いことを、治してあげるよ」



グレイさんは私の首に魔法をかけ治してくださった



『あ、ありがとうございます、でも、大した傷では』



グレ「いいや、女性を傷つけるなんて最低な事だよ。君が"吸血鬼"だから軽視してるんだ、酷いことだよ」



ぎゅっと拳を握り悔しそうにされる



"吸血鬼だから"



私が人間だったら、こんなに悩まなくても良かったのかな




グレ「昔から吸血鬼は化け物扱いだ、食べる物が違うからって差別して、悔しいよ私は、、」



涙を流すグレイさんを見て私はたまらなくなって抱きしめた



なんて言ったらいいか分からないけど一人にしてはいけない気がした

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