世界から見放された吸血少女は異世界で飼われる3

愛されたい106 ページ19

【ユウ】



ユウ｢人間……？｣



学園長の話曰くオーバーブロットでAちゃんの中の魔力が絡まり合い偶然にも人間としての体質を取り戻したという



そんな都合のいい話があるのかと思ったけど彼女のこれまでの時間などの対価を考えればありえない話でもないのかもしれない




クロ｢人間になったことは彼女自身も気づいているでしょう。だからこそ目を覚まさないのかもしれません。今まで吸血鬼として生きてきたAくんにいきなり人間として生きろなんて酷な話です。｣




目覚めるのはAちゃん自身がこの世界で人間として生きる覚悟がないとダメらしい



Aちゃんにとって私達はどんな存在だったんだろう



好かれてはいると思う。


Aちゃんの"初めての友達"の座を手にしたのは私だから



この世界はAちゃんにとってどうなんだろう



過ごしやすいのかな、それともつらいのかな



分からない、分からないけど




ユウ｢私は、Aちゃんに笑って欲しい｣




講堂にいる皆の視線が集まる



俺も、僕もと言う意味で皆頷く



ユウ｢この世界で一緒に生きたいし、隣で笑ってて欲しい、みんなもそうですよね？｣




生徒の心が揃った瞬間だった



ユウ｢てか皆Aちゃんのこと好きで愛してるくせに言葉にしてないですよね？スキンシップだったり求愛行動だけで分かってもらおうなんて甘いですからね！｣



Aちゃんは気づかないし、それに私が許しませんと追加する




心当たりがあるのかウツボさんやらライオンさんやらドラゴンさんやらはうっとした顔をする




先生もですよとクルーウェル先生を睨むと眉を下げてああと頷かれる





ユウ｢もうやることは分かってるよね？Aちゃんが起きたら私たちの"愛"を教えてあげよう！｣

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