あの、すごい変なこと言うんですけど…【黄】

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るぅとside

会社から帰る道のり
特になにもないし、普段と違うことなんて無い

強いて言うなら前の方から高校生が3人ほど歩いてきてることぐらい


？「あんたの成績だと大学やばいわよ？」
？「お前、理系科目出来るけど英語できないから私立もきついぞ」
『あーもう！！！わかってるっつーの！！！』


進路のことかな？
サイドテールにスラックスが特徴的な女の子が
友達であろう2人に文句を並べているようだった

僕にもあんな時期があったんだよなぁ

なんて、他人事みたいに呆然と考えて
自分の学生時代を懐かしむ

僕も成績良くなかったかな…

けど、こんな風に注意をしてくる友達も居なかった気がする


その点、あの子は僕より恵まれてるかも知れないな



なんて、上から目線というか
保護者みたいな事を考えながら通り過ぎようとした時



一瞬で目が離せなくなった
その女の子から

黒髪サイドテールの特徴的な

雷に打たれたような衝撃ってこういうことなんだと思う




ただ、ただすれ違っただけだった

でも、もしこれを一目惚れと言わないなら
何を一目惚れというのか僕には検討もつかない

気がついたときには追いかけて

変質者だと思われる可能性なんて全く考えないで



声を掛けていた




る「あの、すごい変なこと言うんですけど…
一目惚れ、しちゃったかもしれないです…」




『へ…？』



顔に熱が集まるのがわかる
そして、驚いて素っ頓狂な声を出す女の子

全部不思議で仕方がない

この子なんだ、っていう妙な納得感と

初めて会うくせに全部愛おしく感じるこの感情



『あ、あの…』
る「うん」
『私は…お兄さんが誰か知らない』
る「うん」
『けど…でも、信じてもらえないかも知れないけど








、








、








私、お兄さんと会うの初めてじゃない気がする』




る「奇遇だね、僕もなんだ」

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