【歌い手】冷たい【志麻】

冷たい ページ8

楽しかったのもつかの間。


いつも通りに戻る。


洗濯物をたたみ

皿を洗う。


今日の晩御飯どうしようかな

なんて考えながら。


ハンバーグでも作るかな。


定番だけど志麻が好きって言ってくれたやつだし。


ひき肉

昨日の余ってるし。



少しの期待を込めながらハンバーグを作る。


料理は得意な方だ。


志麻にも美味しい。

って言ってもらえていた。


もしかしてアレも嘘だったのかな。


またもや不安が襲ってくる。


味見しよ…


自分の分を一口食べてみる。


うん。

大丈夫だ。



これなら志麻も美味しいって言ってくれるかな。


そんな期待を胸に抱く。


志麻早く帰ってこないかな。

とそわそわしているうちに


玄関の方から音が聞こえた。


帰って来たのかな。


玄関の方へ向かうと疲れた様子の志麻がいた。


「おかえりなさい。」

そう微笑みかけると

「…ただいま。」


と返ってきた。


久し振りにただいまって言ってくれた！

なんて舞い上がりながら

「今日はハンバーグ作ったの。一緒に食べよ？」

なんて聞いてみると

「…おう。」


なんか、今日志麻が優しい？な。


少し不思議なら思いながら


ご飯を盛ったり、味噌汁を温めていた。


しばらくすると着替え終えた志麻がテーブルの前に座った。


晩御飯をテーブルの上に置いて

自分も座る。


「いただきます。」

「ん…」

久し振りに2人で食べるのが嬉しかった。

だからか顔がにやけていたらしく、

「...なんか良いことあった？」

と、聞かれた。


素直に答える訳にもいかないので

センラさんと出掛けた話でもするかな。


「今日センラさんと出掛けたからかな。
洋服も選んでもらったの。やっぱりセンラさんセンスあるよね〜。」


「そう…。ご馳走さま。」

やっぱり返事は冷たいけど返ってきたのが嬉しかった。


「ご馳走さま。」


志麻の食べた後を見ればきっかりと完食している。


そんなに美味しかったのかな。


なんて思いながら片付けに入った。

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