２０ページ目 - �� ページ32
____..
まったくもって失礼な人達だ。
私はあんなに真剣だったのに。
「何で笑ってるの」
「あんなん惚れてまうやん･･･」
「プロポーズかと思うわ」
銀島くんも真っ赤な顔を隠しながら言う。
Aちゃん女子で良かったわあ、と。
どうやら面白くて笑っていたのではないらしい。
私の言葉があまりにもキザで照れくさすぎたおかげで、ニヤけるのを隠していたとのことである。
「『私が証拠になる』だってよ」
「それどこのイケメンなん･･･ほんま勘弁して」
「やめてほんと今更恥ずかしくなってきた！」
落ち着きや。と治くんに宥められてしまう。
そんな治くんも追い打ちをかけるように「俺もあんな彼氏やったら欲しいわ」なんて冗談めかして薄く笑った。
***
時は経って、教室。
掃除中だった。
「でも、どうしよう」
「何や急に弱気ンなって」
ようやく照れが引いてきた侑くんが眉をしかめた。
あんなふうに言ったは良いけれど、私自身は誘われて入った身だ。
誘われて入った身のくせに、色々勝手を言ってしまった。
「監督、許してくれると思う？」
「･･･そもそもAちゃんが、何であの女にそこまで言ったんかがよう分からんわ」
「今頃それ言うの？」
「Aちゃんのイケメンさにやられてツッコむ暇無かってん」
「あはは、変なの」
あのね、侑くん。
私の呼び掛けに小箒とちりとりを出した侑くんは片眉を上げる。
「図書室の本に付箋いっぱい付けるような子が、宮兄弟目当てだけにマネージャー希望すると思う？」
「･･･俺とサムのことディスっとる？それ」
「違う違う！ごめん、言い方が悪かったね」
「冗談やて冗談。言いたいことは分かっとる」
ザカザカ箒で集めたゴミをちゃんとちりとりに入れられているのかはよく分からない。それは侑くんの小箒の適当さ次第だ。
私が一生懸命に箒を使った割に少ないちりとりの中身を眺めていると侑くんが言った。
「まあAちゃんの頼みなら、監督も折れるんとちゃうか」
「そうかなあ、でも私結構迷惑かけちゃってるし、断言出来ないっていうか。何であんなこと言っちゃったんだろうホント馬鹿だ私･･･」
それこそ今更やで、なんて侑くん。
ゴミ箱にちりとりの埃をザラザラ流し終えた彼は、私の方へ向き直ってまた口を開いた。
「俺が、証拠になったるわ」
くすりと笑う侑くんに思わず目を奪われた。
ああ、これは。
自分でも言っておいてなんだけど。
侑くんに
・惚れてしまいそうだ
____..
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 573人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シノメ(プロフ) - るぴあさん» ようやくボールペンを持ちました〜！！感想ありがとうございます！！続々編も是非楽しんで頂ければなあ、と思っておりますので〜！！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
るぴあ(プロフ) - もう、むちゃくちゃおもろいです。ボールペンを持たれるのを待ってます！！！！ (2019年10月10日 17時) (レス) id: d73982be8d (このIDを非表示/違反報告)
シノメ(プロフ) - 來さん» 待っててくださってありがとうございます！なかなか甘々な展開に持って行けてないのですが、これからちょこちょこ増やしていけたら良いなと思っております！わあ嬉しい...！身体の心配までしてくださってありがとうございました！これからも頑張ります！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 待ってました！お疲れ様です！相変わらず青春してるなー、と微笑ましく見ております。更新も早くて侑くん達と同じように作者様を応援する毎日です。体調に気をつけて頑張ってください！素敵な作品をありがとうございます！ (2019年9月28日 19時) (レス) id: 5f382bf3f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
