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∞月◇日✕曜日。くもり。
「投げてみ」
「え、でも」
「ええから。ほら」
合宿三日目。全体の練習が終わった、自主練の時間帯だった。いつものようにスコアボードを片付け、ゼッケンを畳もうと選手陣からそれを集めていたときである。
目の前に「あつむ」と書かれた手と共にオレンジ色のゼッケンを差し出された。まだ昨日の文字落ちてなかったのか、と今更ながらに申し訳なく思いながらありがとう、と回収するとそれと同時にボールを手渡されたのだ。
そして、上記の会話に行き着いたのだった。
「球出しは他の人の方が上手いんじゃ･･･」
「ずっとそうしとったら下手になってくだけやで」
「･･･ぐむ」
ごもっともだ。逃げてる場合じゃないのだから。
何かのネット記事で「球出しはマネジの命」って読んだし。
一日目のあれから球出しはしていなかったけれど、もし一年生が全員いなくなったら、とか考えたら必然的に球出しをするのは私しかいなくなる。
でも前のこともあり、練習中の侑くんが少し怖いのも事実で。
情けないけどそれが理由で返事を渋ってしまった。
どうやら表情にも出てしまっていたらしい。
侑くんが口を開いた。
「･･･前、みたいなこと言わんから」
「だめ。言って」
割と間髪を入れずに言ってしまったおかげで、侑くんも目を丸くしている。私も何でこう言ってしまったのか分からない。口が勝手に動いていた。ただ、これだけは言える。
北さんの「マネージャーをやらないか」という問いに、「マネージャーをやる」と答えたのは紛れもなく自分なのだ。
それなのにキツいことを言われたくないがために逃げるなんて、それこそ図々しいにも程がある。
「私、頑張るから」
「･･･Aちゃんのヘッポコ球出し打てたら最強やろな、とか思っとったんやけど」
「ヘッポコ球出し」
「やる気になっとんならしゃあないな」
球出し練習付き合うたるから、ゼッケン置いてき。
指示されるがままに走り出してしまった。
すごい、こんなすごいことなんてない。
よくよく考えれば、私すごい贅沢なことしてる。
「『高校No.1セッター』を、球出し練習に付き合わせることになるのでは？」
思い返せば、今までの球出しのコソ練だってインターハイの常連校主将を、主砲の片方を、体幹オバケを、練習相手や相談相手に使ってきているのだ。
「いつまでも下手くそなんて、言ってられないや」
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シノメ(プロフ) - るぴあさん» ようやくボールペンを持ちました〜！！感想ありがとうございます！！続々編も是非楽しんで頂ければなあ、と思っておりますので〜！！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
るぴあ(プロフ) - もう、むちゃくちゃおもろいです。ボールペンを持たれるのを待ってます！！！！ (2019年10月10日 17時) (レス) id: d73982be8d (このIDを非表示/違反報告)
シノメ(プロフ) - 來さん» 待っててくださってありがとうございます！なかなか甘々な展開に持って行けてないのですが、これからちょこちょこ増やしていけたら良いなと思っております！わあ嬉しい...！身体の心配までしてくださってありがとうございました！これからも頑張ります！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 待ってました！お疲れ様です！相変わらず青春してるなー、と微笑ましく見ております。更新も早くて侑くん達と同じように作者様を応援する毎日です。体調に気をつけて頑張ってください！素敵な作品をありがとうございます！ (2019年9月28日 19時) (レス) id: 5f382bf3f2 (このIDを非表示/違反報告)
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