義弟マニアックス【赤】 (ページ7)

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話してくれないことに別に落胆はしなかった。他人に全てをさらけ出すことなどできない、強制などしない。

「…そっか」

いつか話してくれたら嬉しい、と。

「大毅、それ食べ終わったら大毅の部屋行ってええ？」
「え！？は、はアアァァァァ！？」
「…なに急に」

漸く持ち出したお椀を落とし、綺麗に持っていた箸を盛大に零した大毅は大口を開けた。何だ急に、先程までの威勢の無さは何だったんだ、フェイントか何かだったのか何のフェイントなんだ。

「ゲーム」
「……へ」
「一緒にゲームしよ」

なんやそれか、と今度こそお椀を持ち直した大毅が、紛らわしいこと言わんでや、なんて呟く。いや、何と勘違いしたんだ……。

「姉ちゃんゲーム久しぶりやろ？腕衰えてんとちゃう」
「姉ちゃんのゲームの上手さは天性のモンやから、安心して」

握り拳を見せると、目を細めて微妙な顔をされた。なんか神野と似てるな……。

それからペースを上げてご飯を掻き込む大毅を宥めつつ、その後は大毅自らが食器を洗ってくれた。いつもなら有り得ないことなのだが、本当に何かあったんだな。

「散らかってるけど、気にせんといて」
「いや、朝も入ったし」
「あ………そっか…」

空回りといったように頭を搔く大毅に案内され、小さいテレビの前に座る。最後に遊んだのが大分前だからか、少々コントローラーが小さくなったようにも思う。

「大毅はいっつもゲームしてんの？」
「まあ……家ではそうやなぁ」
「友達ともやるん？」
「うん、通話繋ぎながらやったりする」

たまに大毅の部屋から聞こえてくる叫び声や笑い声はそれだったのか……と思いつつ、キャラクターを選択する。私たちがいつもやっていたのは某大乱闘ゲームだ。

ゲーム開始。と同時に大毅から大ダメージを食らい、あっという間にゲームセット。あれおかしいなと首を捻りもう一度対戦するが、結果は同じ。

「あれ？姉ちゃんのゲームの上手さは天性のモンやったんやないのぉ？？」

と、大毅が鼻で笑ってくる。煽りスキルだけは妙に高いそいつの嘲笑にまあまあ苛立ちを募らせて。

「じゃあ次、負けた人が自分の恋愛事情暴露するってのはどう？」

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