006 ページ6
.
今日はバイトがないため、友達と途中まで帰り、その後スーパーへ寄った。夕ご飯の買い出しである。ここ最近は将来の自立へ向けて家族の分の夕ご飯を作っているのだ。
少々買いすぎたかな、と途中何回か持ち手を変えながら、なんとか帰路に着いた。今のうちにシャワーを済ませ、ゆっくりと調理へ着手する。
大毅のバイトが終わるのが20時だと言っていたから、20時までには帰ってくるだろう。その時間に合わせるには少々遅すぎるな……。
「お母さん、大毅の分どうする〜?」
「A何か聞いてへん?」
「なぁんも」
私の返答が予想外だったのかお母さんが肩を落とす。姉だからと言って大毅のことが手に取るように分かるとか、そんなことないのに……。
( 一応作っておくか。)
要らなかったらそのまま大毅の朝ごはんに回してもらおう。
その後完成した晩御飯を家族三人で食べ、食器を洗ってから部屋へと戻った。
明日が期限の課題を済ませ、スマホでSNSのチェック。ネットサーフィンって沼だなとつくづく思うけれど、中々やめられないものだ。
気付けば23時を過ぎていて、ふと思い立ちトイレへ向かう。
そういえば大毅、20時でバイトが終わると言っていたけれど、未だ部屋に戻ってきたような様子はない。足音が聞こえなかったし。
少々首を捻りながらも階段を降りると、リビングの方の電気が付いていた。うちの両親は早寝だから、この時間はもう真っ暗のはずだが。
疑問をそのままにトイレを済ませた後、リビングを覗いてみると。
「……大毅…?」
「あ、姉ちゃん」
「今帰ってきたん?」
「うん」
そこには、レンチンした晩御飯をつつく大毅がいた。荷物をソファに投げた痕跡と、ぐったりとした様子が何となく気になる。
「バイトとか、バイトの後とか何かあった?」
「え?なんで?」
「なんか疲れてそうやったから」
ムスッとした大毅に、そんな顔する余裕はあるんや…と思いつつ。
「…………」
箸を止め、考え込むように俯く大毅。中々話し出さないから、その顔を覗き込んでみた。
「…な、なにもない」
行き着いた結論は、そんなものらしかった。
.
547人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ