義弟マニアックス【赤】 (ページ1)

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顔のマッサージと朝の歯磨きを念入りに行って、前髪を固定するためにスプレーをかける。血色よく、目は大きく眉は薄く、今日もいい感じに顔が完成した。

それからお弁当の準備を終え、ヘルシーな朝ご飯を頬張る。ここまで五時半の起床から約二時間掛けるのがいつものルーティンだ。

それらが全て片付いたら、私はある部屋へ向かう。

「大毅～」

ノックを三回ほど試みるが、部屋の向こうは無音である。いや寧ろ気持ち良さそうな寝息が聞こえるまであるぞ。まあ、ノックで彼が起きた試しなどないのだが。

「大毅～入るで？」

扉を開け、すぐ右の方にベッドがある。本日も毛布を蹴飛ばし、腹を出してぐっすり寝ている。

また散らかしたな……。後で片付けるか。など思いつつ、私の騒音に顔を顰める大毅の肩を揺らす。

「おーーい、朝やで！起きて～～！」
「んん…」
「大毅～朝やぞ～～」
「ん…あさ……」

目を開けたものの恐らく焦点が合ってないであろう大毅。会話しようと試みるも、まだ上の空のようだ。

「ナミコちゃん…？」
「誰やねん、ナミコちゃんて」
「千年に一度の…童顔きょにゅー……」
「ああ、これか」

ベッド下に隠れきれていない本を発掘した。表紙には確かに千年に一度の童顔巨乳・浅沼ナミコと書いており、幼い顔に似合わぬ爆弾を胸に二つ付けた女性が下着を着てポーズを撮っていた。

「大毅は巨乳が好きなん？」
「デカければデカいほどえーやろ…」
「ふーん」

ふーんとかなんとか言ってしまったが、内心はドン引きだ。男子高校生はこんなものだろうと分かってはいたけれど、義弟の生々しい事情を知ってしまってとても気まずい。

「ウワアアア！何勝手に見てんねん！発掘すんなエロ姉貴！」

飛び起きた大毅が、私から件の本を奪い取ってしまった。ああ、多分次のページでもう一枚脱いでいただろうに……。

「大毅が自分からエロ本隠してますって言うたようなもんやん！」
「違うねん！これは流星に押し付けられてん！」
「流星くんはそういう子ちゃうやろ！？」
「うっせー！！」

膨れた大毅に可愛くない、と思いながらも「朝ご飯あるから準備出来たら降りてな」と言い残した。

朝から刺激的なものを見てしまったな…と何故かドキドキしながら、私は制服を着るために部屋へ戻った。

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