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ハッとして顔を上げると、そこは私の家だった。
嫌な予感がすっと消えたような、でもどこか引っかかるような、中途半端な気持ちをそのままに、私は車を後にした。
なんとなく、桐山先生に写真のことを聞いてはならない気がした。
リビングに入ると、テーブルの上のタオルに目が入った。洗ったから後は返すだけなのに、すっかり忘れていた。
( 小瀧くんとも、話さなきゃ……。)
きっと、重岡くんの時みたいに誤解してることがあるかもしれないし。そもそも、私が勘違いして一方的に遠ざけたようなものだし。
恐る恐るタオルを取ると、下にあるはずの手紙は消えていた。
翌日ドアを開けると、流星はいなかった。
『しばらく別々に登校しよう』
流星ならお互いのためとか言ってそんなことを切り出すと思っていた。そんなメッセージに今更気づいて、孤独に震えながらも歩き出した。
「A、おはよう」
そう声をかけてくれたのは神山くんだった。神山くんは相変わらず優しくて、流星とのことを知っても変わらず接してくれる。
「さっき走ってく流星見たから、Aもう学校行ったのかと思ってた」
「別々にするってことになったから」
「…それもそっか」
神山くんは眉を下げて、少し寂しそうにした。
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作者名:ぴの山 | 作成日時:2021年8月8日 15時