#26 ページ26
「スニョン、行ってくるね」
本当は起きていたし、ヌナの声も、聞こえてた。
だけど、振り返ることも、起き上がることもできなかった。
どんな顔してヌナに「行ってらっしゃい」って言えばいいのか。
きっとまた、ぶすっとした顔、見せちゃいそうだったから。
玄関が閉まる音を確かめて、布団から抜け出した。
ダイニングには、いつものように、朝飯が置かれていた。
“あっためて食べて”って、大人っぽいヌナの字で書かれたメモも、いつも通りだ。
「いただきます」
ヌナの卵焼き、今日はチーズが入ってる。
玉ねぎの味噌汁に、ポテトサラダ。
そして、昨日の残りの甘いカレー。
すっかり、この味に慣れてしまったから、もう食べられなくなるのかと思うと、無性に寂しくなった。
「ヌナに、男ができた」
よっぽどしょげた顔をしていたのか。
急に押しかけた俺を拒絶することなく、ウォヌは招き入れてくれた。
ウォヌは、高校からの同級生で、大学も同じ。俺が前の同居人に見捨てられたとき、真っ先に泣きつくくらいには、親友だと思ってる。俺がヌナんちに居候していることを知っているのは、ウォヌとジュンだけ。
去年の冬、居候をさせてもらえることになったと話したら「ヌナ、よく許してくれたな」と驚いていたから、「ゲイってことにした」と言ったら、二人には軽蔑の目で見られた。
その嘘をヌナは信じて、俺を男だと思わず、ハム太郎として今まで一緒に暮らしてきた。
だけど、いい加減その扱いがキツくなってきた頃に、ヌナに春だ。
「ヌナはさ、お前がゲイっていうから、警戒心を解いて、受け入れてくれてたんだろ。
だから、彼氏ができても一緒に住んでいいなんて言ったんじゃない？
前のお前だったら、甘えちゃうんだろうけど…もう無理でしょ」
そうだよ。
ヌナに彼氏ができることも嫌だったけど
「スニョンとはそんなんじゃない」ってゆわれたことが、結構ショックだった。
自分が蒔いた種なのに、男として見られてないってことが辛いなんて、矛盾してるよな。
「…だから、出てくつもり」
「え、行くあてあんの？」
「…」
「まさか、ここに住むわけじゃ」
「お願い！」
「……まぁ、そうなったら、しばらくは置いてやれないこともないけど…
でもさ、お前、このままでいいの？」
「…」
その時、震える携帯。
“今日、何時頃返って来る？”
ヌナからのメールだった。
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nayuta(プロフ) - ハフィントンポストさん» ハフィントンポストさん、コメントありがとうございます！お返事遅れてしまい、すみません！！ありがたいです！可愛いスニョン、また続編ものぞいていただけたら嬉しいです。 (2019年5月11日 6時) (
レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
ハフィントンポスト(プロフ) - なんか、読み始めたら段々と吸い込まれて全部読んじゃいました、すにょん可愛いですね！ww！ (2019年1月25日 22時) (レス) id: b852baaf97 (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとさんーー！わたくしもおぬよん好きなので、ついつい登場させちゃいます。おぬよんにときめいてくださるなんて、うれしいですー！ (2018年9月1日 1時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
にとまる。 - nayutaさん» すにょんんん(( でもにとてきにはたまにでてくるおぬよんにときめきます。好き。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: 307b4f2a6a (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとまるさん、ありがとうございます！どちらに傾くのか、、、更新頑張ります！ (2018年8月22日 12時) (レス) id: 71317fae55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nayuta | 作成日時：2018年7月18日 14時
