ミ ページ5
・
入院4日目。
今日は点滴は無く内服のみなので、身体の調子が比較的良いので、病院内を探検する事にした。
病室で寝てばかりでそろそろ気が狂いそうだったので、ようやく気を紛らわせる事が出来る。
それにしても、どこに何があるのかが全く分からない。
探検をするといっても行き先は、病院の入り口を入って直ぐ側にある売店と、私が入院している病棟内に設置されているコインランドリーと共用スペースのデイルームぐらいしか無いのだけれど。
デイルームで時間を潰していると、金色の髪にスカイブルーの瞳を持った男の人に声を掛けられた。
とても良く顔が整っている人で、職業は芸能人とかなのだろうか。大病院なのだからお忍びで入院していてもおかしくはない。
?「お前、入院患者か?」
「そうですけど、どちら様ですか?」
?「俺は
「コネシマさんですか…。私は
「よろしくな、A!」とコネシマさんが気さくに言う。
kn「俺もここで入院してるねん」
「じゃあ、コネシマさんはこの病院の大先輩ですね」
コネシマさんは交通事故に遭ったらしく、入院生活を送っているとの事だった。
kn「Aは何で入院しとるん?」
コネシマさんの質問に私はどきりとした。
知り合ってまもないコネシマさんに、病名を言って気を遣わせたりしないだろうか。
「…私は、悪性リンパ腫なんですよ。一昨日から抗がん剤治療を始めたところです」
kn「言い辛かったやろ、聞いて悪かったな」
「いえ、知り合いには病名は伏せて入院しているので、1人ぐらい知っていてくれると嬉しいです」
「病室教えておきますので、良かったら遊びに来て下さい。個室なのに誰も来なくて暇なんです」
そう言うと、コネシマさんは「また遊びに行くわ!」と病室に戻って行ってしまった。
なんだか嵐みたいな人だなぁ。
728人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ