【d!】さよなら、ミッドナイトブルー【ut】【完結】 (ページ4)

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入院2日目。

ついにいよいよ朝から抗がん剤の治療が始まった。

担当の看護師さんによって腕に点滴針を刺され、抗がん剤の点滴が始まった。

主治医の先生からの説明によると、ひとまずは点滴は1週間に2回、内服は毎日という治療方針らしい。

初めての抗がん剤なので気分が悪くなったりするらしいので、点滴が終わるまでは必ずベッドから動かないように言いつけられていて、何かあればベッドの側にあるナースコールを押すようになっている。

点滴が終わるのを待っている間、暇だし何をして時間を潰そうかと思っていると、ようやく母から先程送ったトークの返事が来た。

『急にAが入院だなんて驚いたわ。すぐにそっちに行けなくてごめんね』という謝罪の文面だった。

地元はこの病院から遠くにあるので、仕方ない。
そもそも本当に見舞いに来てくれるのかも分からない。

『入院の手続きとか荷物は鬱くんに色々頼んでるから、大丈夫だよ』と返事を返しておいた。

無事に点滴が終わるとナースコールを鳴らして、看護師さんに点滴の針を抜いてもらう。

点滴が問題無く終わると、ちょうど夕食の時間を迎えていたようで食事が運ばれてきた。
入院の経験が全く無いので分からないが、病院食ってカロリー計算や塩分濃度がきちんと管理されていて味気ないんだなという印象だった。

そして何より病室で一人きりで食べるのが心細く感じてしまう。
自分で作った料理を目の前で鬱くんが美味しそうに食べてくれる…そんなありふれたいつもの食事がとても恋しくなった。

治療が終わって無事に退院をする事が出来たら鬱くんと快気祝いで美味しいものでも食べに行こう、そう退院後の未来に胸を弾ませた。

初めての抗がん剤の点滴が終わった日の夜、抗がん剤の副作用のせいで物凄く気持ち悪かった。

主治医の先生から前もって抗がん剤の副作用の説明はきちんとされてあったけれど、吐き気が止まらず何回かトイレで駆け込んで吐いた。

もはやトイレに居ていた方が、わざわざ移動しなくて良いので効率が良いのでは無いかと思ってしまうほどだ。

このような事がしばらく続くと思うと、この先不安でたまらない。しかも治療はいつまでなのかも分からない。

この日の夜、私は全く眠れなかった。