▽ Alan side ページ42
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プルルル、と何度もAのスマホを鳴らすけど出ない。
白濱「……あ、」
思わずスマホを落としそうになった。
白濱「A!!!」
家の前に蹲ってるAがいて、駆け寄ればソロリと顔を上げた。
『っ、あらん、』
白濱「なんでスマホ出ないんだよ!」
『……なんで、』
俺の問いかけには、答えないでボロボロ泣くA。
どうせ、泣いてるのは涼太のせいなんだろ。って酷い考え方をしてしまう自分がいる。
白濱「とりあえず、部屋入れよ」
Aを抱えて部屋に入ろうとするけど、靴を脱ごうとせずに呆然と立ち尽くすA。
白濱「……A?」
『ねぇなんで、』
何かあったのか、何があったのか。
『なんで涼太くんは、七瀬なんて庇うの、なんで、ねぇなんで?!涼太くんはなんで私を見てくれないの?!』
白濱「A、」
頭が痛くなる。ガンガンする。なんでだよ、なんで涼太しか見てねぇんだよ。
『私が!!!!!世界で1番涼太くんのこと愛してるのに!!!!!』
辞めろよ。って、頭をかきむしった。
そして、言ってはいけない事を言ってしまったんだ。
白濱「もういいよ、もういいからさ……やめてくれよ。やめろ!!!!!!!!!」
「──────────俺らの前からいなくなれよ」
目が熱くなって涙が出てしまった。情けねぇな、俺。
『なんでっ、だって、亜嵐だけは、亜嵐だけは味方だって、』
そして俺がスマホを使って再生させたのは、前に聞いたAの、音子ちゃんへの暴言だった。
白濱「音子ちゃんに、涼太にあんなひどいこと言って記事にしてなんでそこまで一途になれんだよ!!!!」
自分で言って悲しくなって、虚しくなって、悔しくなる。
でも口は止まらなくて、今まで言いたかった言葉が全部溢れてくる。
白濱「みんな結局そうなんだよ!!!!涼太はAちゃんに、音子ちゃんは臣さんに、Aは涼太に、俺はAに────」
足元がふらついて背中と壁がくっつく。
持ってたスマホが音を立てて床へと落ちる。
白濱「なぁ、なんでこんなにも上手くいかねえんだろうな」
ズルズルと摩擦で背中が熱くなるけど、そんなことよりも目が熱くて仕方ない。
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莉央奈(プロフ) - 内容が残酷で深くてすごく面白かったです! (2019年2月23日 12時) (レス) id: 454ae124db (このIDを非表示/違反報告)
ぴーゆい(プロフ) - 完結おめでとうございます!ラベンさんの作品めっちゃ好きで、このシリーズも最初から読んでました!!!完結したらちょっとさみしいけどずっと応援してます!! (2019年2月19日 19時) (レス) id: ce51d072e7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - このシリーズはじめから読んでてほんとに内容が深くて毎回更新楽しみにしてました、!今回の話がバッドエンドで、自分もバッドエンドの話がけっこうスキなので、余計に更新が待ち遠しいです、、、 (2018年12月22日 14時) (レス) id: c161f68fab (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる(プロフ) - コメント失礼します、音子ちゃんはなんのお話に出てくる方ですか?? (2018年9月8日 15時) (レス) id: f7363ed3ba (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。お話頑張って下さい (2018年9月8日 13時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2018年6月28日 18時