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七瀬「涼太くん、それをやったらダメだよ」
きっと涼太くんは私の胸ぐらを掴んだ後、私を殴ろうとしたのだろう。
それを察した七瀬音子はそれを止めた。
……どこから沸いて出てきたんだよ浮気クズ女。
涼太くんの手を掴んだ手を下ろして私の目の前に七瀬音子が来る。
キラリと涼太くんの目に涙が浮かんだ。涼太くんの目に涙を浮かばせたのは、紛れもない私。
好きな人を笑顔にすらできず、泣かせたり怒らせたりする……なんて、酷い自分なのだろうか。
だけど、私にはどうすればいいか分からない。
だって、涼太くんが好きだから……叶わないと分かっているけれど、……好きだから。
そう思ったら目の前の七瀬音子はふわりと綺麗な笑顔で笑った。
七瀬「辛いよね。分かるよ、その気持ち」
『……は、?』
七瀬「好きな人に振り向いて貰えない辛さは私もすごく知ってる」
『な、に言って…』
七瀬「分かるよ。だけど言っていい事と悪いこと、やっていいこと、と悪いことが」
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさ、『うるさい!!!!!!!!
何よ、可愛いくせに、スタイルいいくせに、なに、私のこと……バカにしてるの?』
七瀬「そんなことしてない。」
『そんな体験してないくせに、なにわかった風に言うの?!?!どれだけ私のこと侮辱すれば気が済むの?!?!』
七瀬「侮辱してるつもりはない。お願い、ちゃんと私の話を聞いて」
『うざい!!!!!!!』
気が付いたら目の前が真っ赤に染って頭が真っ白になって胸の中が真っ黒に渦巻いて震えた。
バッと片手を上げた私の手のひらは七瀬音子の小さな顔面にヒットした。
バチンっと鈍い音が廊下に響いて涼太くんと佐野玲於の息を呑む音が聞こえた。
七瀬「っ、……」
『なによ、哀れんでるの?は?なんなの?意味わかんない、うざい、うるさい、ムカつく、消えろよ!!!!』
七瀬「……いいわよ。好きなだけ、叩きなさい」
『っ、はぁ?!?!?!』
七瀬「だけどその前に1回、」
『死ねよぶす!!!!!!』
もう一度片手を上げて振り下ろそうとすれば─────────止められた。
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莉央奈(プロフ) - 内容が残酷で深くてすごく面白かったです! (2019年2月23日 12時) (レス) id: 454ae124db (このIDを非表示/違反報告)
ぴーゆい(プロフ) - 完結おめでとうございます!ラベンさんの作品めっちゃ好きで、このシリーズも最初から読んでました!!!完結したらちょっとさみしいけどずっと応援してます!! (2019年2月19日 19時) (レス) id: ce51d072e7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - このシリーズはじめから読んでてほんとに内容が深くて毎回更新楽しみにしてました、!今回の話がバッドエンドで、自分もバッドエンドの話がけっこうスキなので、余計に更新が待ち遠しいです、、、 (2018年12月22日 14時) (レス) id: c161f68fab (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる(プロフ) - コメント失礼します、音子ちゃんはなんのお話に出てくる方ですか?? (2018年9月8日 15時) (レス) id: f7363ed3ba (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。お話頑張って下さい (2018年9月8日 13時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2018年6月28日 18時