四話 ページ21
「では失礼致します。」
先輩が扉を閉める、今日の仕事はこれで終わりだ。
きりやんの部屋が見えなくなったと同時に緊張が解けた。
「はぁ…」
思わずため息が漏れた。それが聞こえたのか、先輩がこちらを睨んできた。慌てて背筋を伸ばし、歩き出した先輩の後ろを着いていく。
「よく生きていたわね」
「え！？あ、はい！」
いきなり声を掛けられたので少し驚いた。なんせ、先輩が私に声をかけるなんてこと今まで無かったし、これからもないと思っていたから。
「…悪かったわね。」
「えっと…？」
「あなたと会って数日私、貴方のこと無視をしていたでしょう。あれ別に貴方が嫌いとかじゃないのよ。
元々私、専属メイドになんかなる気無くてね。
ある日突然なかむ様のメイドさんに呼ばれたから着いて行ったの。そしたら水色のホワイトブリム…そう、専属メイドの証を渡されたの。」
「いきなり…ですか？」
いきなりのカミングアウトに戸惑いながらも私は恐る恐る聞いてみる。先輩の後ろに居るため、私は先輩の顔は見えない。
つまり先輩が何を考えているか分からないのだ。
数日間だけだが無視をして来た人がいきなり話し出すという事を疑ってしまうのは仕方ないことだろう。
「ええ、いきなりよ。それで気づいたら私は専属メイドになっていたわけ。
別に専属メイドになるのは構わなかったわ。事実、仕事が面倒くさそうという理由で階級を上げたくなかっただけだったから。」
でも…と話を続ける先輩の声。声は少し震えているようにも感じた。
「いざなってみたら専属メイドという仕事は思っていたよりも何倍も過酷だった。
初めて目の前で人の首が飛ぶ所を見た日の夜は寝付けなかったし、何度も吐いてしまったわ。
真逆幹部様の機嫌を損ねるだけで人が死ぬなんて思わないもの。でも普通そうでしょう？
平凡に生きていれば…それに私達は貴族よ。人が死ぬ所なんて普通は見ないわ。」
「話がズレそうになったわね、ごめんなさい。
つまり私が言いたいことは何かと言うと貴方にずっと冷たい対応をしていたのはここを辞めて欲しいからよ。…もうこの仕事で死ぬ人を見たくない」
もうこの仕事で死ぬ人を見たくない
彼女の声は震えていて、悔しがっているような、そんな声だった。先輩は多分、いい人だ。今までの先輩の行動と、自分の直感でそう思った。
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黒灰白有無％(プロフ) - やっぱり面白くて大好きです！約2年前から読ませていただいていて其れから今迄少なくとも20周はしてるほど大好きで、消失系の小説で幼馴染設定はあまり見たことがないので嬉しい?です！！気が向いたらでいいのでまた更新をまってます！これからも応援しております！！ (8月6日 0時) (
レス) @page35 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
愛流 - ストーリーが全然飽きないしすごい面白いです！！更新ゆっくりでいいので待ってます！頑張ってくださいっ！ (2022年8月2日 15時) (レス) @page35 id: f100bc9df8 (このIDを非表示/違反報告)
柿 - っあ〜面白すぎる…更新頑張って下さいね! (2022年7月30日 0時) (レス) id: 02b490d08e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - つゆさん» こんにちは、コメントありがとうございます…！更新頑張っていきます…！応援メッセージありがとうございました！ (2021年10月11日 15時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - とっても面白いです、、！五感消失クラフト大好きなので、もぅ、、神ですね！これからの展開が気になる…更新頑張ってください。応援してます！！ (2021年9月22日 23時) (レス) @page34 id: 5d979c15e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾄｸﾆﾍﾞﾂﾆﾅﾆﾓﾅｲﾖ | 作成日時：2021年9月14日 13時
