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魔王はルフィの左腕を撃ち落とそうと、やたらめったに光線を放っている。
そのとき、ルフィは、右腕を一度伸ばしてから勢いをつけてグッと縮めた。
跳ねる前のゴムのようにルフィの右腕が力を溜めている。そして───。
ルフィ「おおおおおおおおおおおおっ!」
魔王に向けて、まずはルフィ自身が飛びかかった。
そんな一瞬のうちに、ルフィの脳裏にはウタとAと過ごした過去の光景が浮かんできた。
ルフィの思い出の中で、ウタはAと一緒に海岸を走っていた。
当時はウタとAの背中をよく見た気がする。
追いかけてくるルフィをたまに振り返りながら、二人は仲良く走っていた。
もしかしたら、年下のルフィにスピードをあわせてくれていたのかもしれない。
誰よりも優しく、人の気持ちを敏感にくみ取れる。ウタとAはそんな子だ。だから二人とも仲が良かった。同じだったから。
また別の思い出が蘇る。
ルフィの描いた麦わら帽子の絵を見てからかうウタと苦笑いをするA。
へたくそと言われたが、今でもシンボルマークにしていたウタ。
あの日からずっと、ウタの心の中に麦わら帽子はあったのだろうか。
***
一方、現実世界のシャンクスも攻撃態勢に入りながら、ウタとの日々を思い出していた。
ルフィとのチキンレースでの意地の張り合いは見ていて飽きなかった。
Aが大好きだと笑うウタとそんな彼女に満面の笑みを見せるAの姿は愛らしかった。
船の見張り台の上で歌うウタの姿。
冒険した島で楽しそうにはしゃぐウタ。
思い出を段々とさかのぼって行ったシャンクスは、ウタとの出会いを思い出していた。
***
一方、ルフィが魔王に向かって行くのを見つめるAも、ウタとの思い出を思い出していた。
ルフィとどっちが自分と一緒に海賊になるかと張り合うウタ。
いつも一緒に歌を歌って楽しそうに笑うウタ。
シャンクスが一緒に肩車してくれた時に彼の髪の毛を引っ張って意地悪そうに笑うウタ。
大好きだよと自分に笑みを浮かべてくれる彼女が、Aも大好きだった。
あの頃は、なんだかんだ言ってルフィといるよりウタと居た時の時間の方が多いかもしれない。
ルフィとシャンクスとAは、同時に過去の思い出から覚め、より一層強く誓った。
魔王を倒して絶対にウタを助ける!
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星空ブリキ - 今更コメント失礼します! ブリキはワンピースに興味があるかといえばそうではなかったのですが、ウタちゃんをYouTubeや紅白歌合戦などで見てると見たことはないのですが映画行きたいなって思う様になりまして、少しずつ見る様になりました(長くなるので次行きます (2023年1月10日 21時) (
レス) id: d2bad01efc (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - みりおんさん» ありがとうございます！本編も頑張りますね！ (2022年9月22日 11時) (レス) id: 47ec2d84ad (このIDを非表示/違反報告)
みりおん(プロフ) - フィルムレッドの小説お疲れ様でした！文章から映画館で見た場面が浮かび上がって、とても感動しました！！さきっちさんが書くルフィがカッコよくて推しになりました！また本編でも素敵なストーリーを楽しみにしてます！ (2022年9月22日 3時) (レス) @page16 id: 574f494a01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2022年9月21日 1時
