検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:34,188 hit

14話 ページ37

あたしたちはその後、浴衣から持ってきていた私服へと着替えた。
はじめちゃんと事件について話し合っていると開かずの間へと呼び出された。
関係者全員が開かずの間へと集まって、鉄格子の近くに立つ警部を見る。



一「警部、何だよ話って。早くしてくれよ、忙しいんだからさ」



はじめちゃんが声をかけると警部は振り返ってあたしたちを見据えた。



剣持「謎は全て解けた。犯人はこの中にいる」


一「『へ?マジ?』」



あたしとはじめちゃんと美雪は思わず顔を見合わせた。



剣持「説明しよう。まずは密室トリック」



警部はそう言って鉄格子を外してあたしたちに見せる。



『そんなことは最初からさあ…』


剣持「まあ待て。問題はこの谷間を渡る方法だ。だがそれもこれを使うことによって解決した」



警部が取り出したものはボーガンだった。



紫乃「ボーガンですね。主人のコレクションでした」



紫乃さんの言葉にあたしとはじめちゃんはそちらをチラリと見る。


ボーガンがコレクションって……。



剣持「さあ、うまくいったらご喝采だ」



警部が細い釣り糸を矢の先につけると窓から谷間の向こうの木を狙い、ボーガンで撃つ。
それを見届けてあたしたちは谷間の向こうへと向かった。



剣持「岸のこちら側に来た犯人はつり糸を大木に回し、今度は窓に向けて」



木にうまいこと刺さっていた矢を外し、大木に回すと今度は窓に向かって撃った。



剣持「これで準備完了」



そしてまた場所は開かずの間へと戻る。



剣持「赤沼を殺した後、犯人はつり糸をロープに結び付けて」



鉄格子の間からロープを向こう側の木へと巻き付けて引っ張る。
するとロープで向こうとこちら側を繋ぐことができた。



剣持「これで即席のロープウェイの完成だ」


紫乃「剣持さん…」


一「でも…」


剣持「そう。この鉄格子の隙間から出ることができる小柄な人間。そしてロープ一本で断崖絶壁の谷間を渡ることができる人間。そんな奴がはたしているか、そうだな金田一君」



警部に聞かれたはじめちゃんはあたしの隣で「うん」と頷く。



剣持「それがいたんだよ」



警部はそう言って懐から警察手帳を取り出す。



剣持「そいつは10年前までサーカス団で軽業師をやっていた。綱渡りや箱抜けなんて芸当は朝飯前」


龍之介「一体誰なんだ」


剣持「犯人はこの中にいる」



警察手帳を懐にしまう警部に龍之介はあたしたちを見回して再度「だから誰なんだよ」と問うた。

15話→←13話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
45人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セレーナ - この作品も面白いわ^ ^名探偵コナンと暁のヨナの作品を早く更新して欲しいわ。頑張って (2020年2月8日 1時) (レス) id: a3d3399358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、もうはじめちゃんは、彼女ちゃんがいるのに、お姉さんナンパかあ、次回は楽しみにしてます (2019年12月21日 13時) (レス) id: 5c9701a404 (このIDを非表示/違反報告)
にー - 突然すみません!ここのお話とは関係ないのですが名探偵コナンはいつ頃更新されますか?教えてください (2019年12月7日 9時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さきっち | 作成日時:2019年11月29日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。