17話 ページ1
あたしとはじめちゃんと美雪はダイニングルームに来ると、大きな窓から見える崖下を見ていた。
激しい海の水が崖へとうちつける様子を見ていると、美雪に「さーちゃん、はじめちゃん」と肩を叩かれて呼ばれた。
「『ん?』」と2人で振り向くと、紅茶と牛乳を乗せたトレーを持ったオーナーがテーブルにそれを置いてくれていた。
美雪が急いで「すみません」と頭を軽く下げる。
一「ところでどうしてこのホテルはオペラ座館って言うんですか?」
美雪「やっぱり舞台のオペラ座の怪人からとったんですか?」
黒沢「オペラ座の怪人は…」
そう言いながら此方に歩み寄って来たので急いで道をあけると、オーナーはあたしたちが見ていた窓のカーテンを閉めた。
黒沢「私の分身と言ってもいいかもしれないですね」
一「『分身?』」
はじめちゃんと2人で聞き返すとオーナーは窓から離れて部屋を歩く。
黒沢「昔、舞台の演出をやっていた事がありましてね…。その時の私の初演出作がオペラ座の怪人だったんです。やめて何年かたちますが、不思議とセリフだけは忘れないもんですね」
そう言って歩くオーナーの後をあたしたちも歩く。
オーナーは飾ってある一つの人形の前に立って足を止めた。
黒沢「私はオペラ座の怪人。思いのほかに醜いだろう。この禍々しき怪物は地獄の業火にやかれながらなおも天国に…!」
声を上げながらそう言っていたオーナーはあたしたちがいた事を思い出したらしく、ハッとしたように人形から手を離した。
黒沢「年甲斐もない事をしてしまいました。失礼します」
そう言って去っていったオーナーを頭を下げて見送る。
するとはじめちゃんが此方を振り返った。
一「オーナー…台詞間違ってたな。地獄の業火じゃなくて、地獄の炎だろ?」
美雪「あ…地獄の炎って言うのは最近よ。昔は地獄の業火ってなってたの」
一「ふーん」
納得したように頷いたはじめちゃんが向かい合わせの椅子に座ったので、その向かいに美雪が座りあたしはテーブルに寄りかかる。
一「ところで業火ってなんだ?」
それも知らないの?
あたしは『あのね』とテーブルから離れてはじめちゃんの傍にしゃがみ込んで彼の手をとる。
美雪が渡してくれたペンの蓋を取って彼の掌に『こう書くの』と言いながら【業火】と書いた。
一「ぎょうか…」
頷きながらそう言ったはじめちゃんに思わずあたしと美雪は顔をしかめて、はぁ?と言いたげな顔を彼に向けた。
49人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
、 - それに、夢主の言い方もなんか‥。一人称も「あたし」って‥ぶりっこって感じの女子って感じで‥。初期は見てないですけど‥。これ、見て、見る気萎えました。 (2022年4月30日 17時) (レス) id: 111bb78a66 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 誤字もあるし‥。はじめちゃんが言ってる台詞も夢主さんが言っててなんか‥。やっぱり、はじめちゃんが言ってる台詞ははじめちゃんが言ってるからいいんであって夢主が‥ってなると‥なんか‥。 (2022年4月30日 17時) (レス) id: 111bb78a66 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - +さん» 夢主の一人称はあたしで統一しているつもりですが、どこかに誤字がありましたか?読みにくいのは申し訳ございません。これでも書き方を変えたのですが。まだ読みにくいですか? (2022年4月28日 17時) (レス) @page1 id: 47ec2d84ad (このIDを非表示/違反報告)
+ - 夢主の一人称、「私」なのか「あたし」なのかどっちですか?私だったりあたしだったりと読みにくいです。どっちかにしてください。間をもう少しあけてみては?読みにくいです。 (2022年4月27日 17時) (レス) id: 3cf6d2002d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 面白いです。初期のは無かったので凄く嬉しいです。お忙しいと思いますが更新頑張って下さい。 (2020年6月5日 11時) (レス) id: b4494ecc1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さきっち | 作成日時:2019年10月12日 19時