25話 ページ8
はじめちゃんはその後、あたしと警部が持っていたハンカチで足の出血を止めて救急車で病院へと運ばれた。
今は、あたしと美雪が学校帰りに警部と合流してはじめちゃんのお見舞いに来ている所である。
松葉杖のはじめちゃんを連れてあたしたちは病院の中庭へと来ていた。
一「そうですか…。若葉は神崎に殺される時、抵抗しなかったんですね」
剣持「ああ。どう調べても彼女には抵抗した痕が見つからなかったよ」
若葉、抵抗せずにそのまま…。
剣持「彼女は、全て知っていたんだろうか…」
あたしたちがその問いに答えられなくて俯くと、警部は「じゃ、お大事に!」とはじめちゃんに告げて帰っていった。
その背を見送ることなく、あたしと美雪が俯いていると、はじめちゃんは気を遣ったように明るい声を上げてくれた。
一「天国か地獄かわかんねぇけど……あの2人、きっとあの世で幸せになってるさ」
美雪「はじめちゃん…」
はじめちゃんの言葉にあたしたちが彼の方を向くと、自分の言った言葉に照れくさそうにすぐに顔を俯かせた。
励ましてくれてるんだろうなぁ。
あたしがはじめちゃんから顔を逸らしてコクンと頷くと、美雪が「あ、わたしジュースか何か買って来るね!」と自動販売機の方へ走っていった。
あいつ…また変な気を遣わせやがったな。
あたしとはじめちゃんだけになる。
無言でいるのも何かぎこちなくて、あたしは恐る恐る口を開いた。
『今回…なんか色々迷惑かけちゃってごめんね。……でもっ、はじめちゃんがいてくれたおかげでなんかすごい安心できたの。こういう気持ちってもしかして…』
顔を上げて隣を見る。
『あれ……？』
思わず低い声で言ってしまった。
勿論、隣には誰もいなくて辺りを見回すとベンチに座っている看護師さんに絡んでいるはじめちゃんの姿が見えた。
連絡先をねだっているようだ。
あたしはすっと冷たい目で彼を見ると、スタスタと彼に歩み寄って。
『はじめちゃん』
一「ん？」
ニコリと笑みを浮べながら肩を叩いて振り返った彼の頬にパチンッとビンタした。
「いって!」と頬を押さえる彼を見ることなく、あたしは踵を返す。
人が頑張って言おうしてる時にいつもいつも…!!
一「おい、何すんだよ。…あ、おい、A!待ってくれよ!A!!」
追いかけてくるはじめちゃんを無視して歩みを進める。
構ってらんないわよ、もうっ。
松葉杖で必死に追いかけてくるはじめちゃんの声が後ろから聞こえた。
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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (
レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2019年8月6日 1時
