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15話 ページ49

あたしたちはみんなを連れてすぐに木の所まで向かった。
吊るされていたのは晴美で。



一「桐生だ…」


剣持「やはり自 殺じゃないな」



警部に視線を向ける。
警部は地面に落ちている晴美の靴を拾い上げた。
その靴には泥がたくさんついている。



剣持「こんな高い所から台も使わずに一人で首を吊れるわけがない」


美雪「カゲツに決まってます!!」



あたしの隣で美雪が悲鳴に似たような声を上げた。
視線を向けると、彼女はあたしの腕にしがみ付きながら涙目で口を開いた。



美雪「怪人のマスクをつけたカゲツがわたしの部屋覗いてたんです!!!」



いや、正しくはあたしの部屋だけどね。


心中でツッコミを入れると、あたし達の後ろにいたオーナーが静かに背を向けた。



真壁「カゲツは強引に桐生を部屋から連れ出してこの木に吊るしたって事ですかね?」


剣持「だとしたらカゲツはどこから彼女の部屋に侵入したことになる」



真壁君と警部がそう言っている間に友代は腕を擦りながらあたしたちから離れた場所に移動する。
その時、「ちょっと待ってください」と向井刑事が言った。



向井「窓しか考えられません。自分は全員の部屋の鍵とチェーンも確認しましたし、廊下で見張りを行っていました。恐らく彼女は窓の鍵をかけ忘れ、そこからカゲツが侵入したものと思われます」



向井刑事の言葉を聞いて、あたしとはじめちゃんはホテルへと近づく。
そしてしゃがみ込んだ。



一「そんな単純なことじゃないぜ」



はじめちゃんがそう言うと皆が此方を振り返った。



一「これは密室殺人だ」


剣持「密室殺人?」


真壁「相変わらず君は頭が悪いな。これのどこが密室殺人なんだ」



真壁君がはじめちゃんにそう言うのを聞いてあたしは立ち上がると『これだよ』と地面を指差した。



『この地面をよく見てみてよ』



地面には一つ分の足跡が窓から続いていた。



『残された足跡は窓から出ていく足跡が一つだけ。しかもこの足跡、誰の足跡だと思う?』



あたしがそう言うと警部は此方に近づいて来て、持っていた晴美の靴をその足跡に合わせた。
ピッタリとハマる。



剣持「靴に残っている泥の具合といい、この足跡は該者本人の物に間違いない」


一「つまりカゲツは桐生を殺すのに部屋に入ることなく殺人を行ったことになりますね」


美雪「それじゃあ桐生さんは自分で木の下まで歩いてきて、首を吊られたって言うの?」



美雪の言葉にあたしは彼女を振り返った。

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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2019年8月6日 1時

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