4話 ページ38
真壁君が頷き返すと、有森君は背後を振り返った。
有森「ほら、あの人だよ」
あたしとはじめちゃんと真壁君も振り返る。
上にあるちょっとした踊り場の所にオーナーらしき人が舞台の方を見下ろしていた。
一「世の中物好きなおっさんがいるもんだなっ」
『こら、はじめちゃん』
あたしがはじめちゃんを嗜めた時、
桐生「クリスティーヌ!」
練習が再開したらしく、あたしはすぐさま舞台へと視線を向けた。
一応監督補佐なんでね。
桐生「クリスティーヌ、あなた怪人の噂聞いてる?」
友代「このオペラ座の地下に住むという怪人の事ですか?」
桐生「不気味なマスクをつけた怪人がいるってみんな言ってるけど、本当にいるなら会ってみたいものだわ」
友代「冗談でもそんな事おっしゃらない方が…」
その時、友代がゴホゴホッと咳き込んだ。
それを見て立ち上がった美雪の方を向いて「ごめんなさい、ここなんか埃っぽくて」という彼女に美雪が大丈夫と何回も頷く。
たしかにここ埃っぽいもんなぁ。
そして友代が咳き込んだと同時に急いでバスケットを持って舞台へと駆けて行った真壁君は、
真壁「大丈夫ですか?」
友代「水!」
真壁「あ、お水ですね。ただいま!」
召使の如くこき使われていた。
学園七不思議の時とは立場が逆転している。
はじめちゃんはお水を取りに劇場を出て行く真壁君に、
一「めでたいやつ!」
と冷やかしか八つ当たりかわからないような言葉を吐き捨てた。
あたしもそれに軽く頷いて美雪の隣の席へと戻る。
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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年8月6日 1時