ひとりじゃない証 【金田一少年の事件簿】初代実写版

11話 ページ44

兜「うちの娘が犯人だって言うのか!」


冬木「そこのベッドの下に落ちてた彼女の羽が証拠よ!」


剣持「どういうことです？」


冬木「彼女の羽飾りなんですよ」



そう言うと刑事さんが「なるほど…」と割り込んできた。



向井「ここで時田若葉を殺した時に落ちたのか。警部、犯人がわかりました。兜霧子です!」


剣持「あのな…向井」


向井「ただちに指名手配します!」



だめだありゃあ。


あたしは額を押さえて溜息を溢すと立ち上がった。



『あたしたちが駆けつけた時、この教会は完全な密室でしたよ』


向井「それがどうした!」



あたしに詰め寄ってこようとする刑事さんの体を警部さんが抑える。



剣持「犯人がどうやって外に出たかということですね」


『そうです。その謎解きが先じゃないですかね』


剣持「君の言う通りです。その謎は我々警察が解きますよ。鈴蘭さん、金田一君。君達の力を借りることなくね」



あたしとはじめちゃんはその言葉に警部さんを見上げた。


あちゃあ、これは信用されてないな。
まぁ当たり前か。


あたしたちはその後、風祭さんの家に来ていた。



一「風祭さん、若葉の家に首のないミイラがあるのをご存知ですか？」


風祭「え？ええ…勿論知ってますよ。あのミイラは古くから伝わるこの村の守り神でしてね」



ミイラが守り神…？
なんだそりゃ。


あたしが嫌そうに顔を歪めると隣の美雪が「守り神…？」と呟いた。



風祭「この村には私の家を含めた4つの館に各1体ずつと教会に1体。全部で5体のミイラがあるんです」


『5体のミイラ…？』



風祭さんはあたしたちにそれを見せてくれた。
大きな箱を開けて見ると、中にはミイラが入っていた。



風祭「それぞれのミイラは皆、首や腕や体の異なった部分が欠けているんです」



うっわ、マジかぁ。


風祭さんのミイラは右肩と左腕が無いミイラだった。

12話→←10話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す