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カナ「あれ食っていい!?」

『ダメ!ほら、行くよ!』

カナ「えええ〜」


Aに首根っこを掴まれて強制的に前を向かされたカナは不貞腐れながら走り続ける。

走り続けて、開けた視界にふたりは思わず足を止めた。

大小無数の島々が見えるこの場所で、カナは物欲しそうに後ろを振り返ってイカフラを見つめる。Aはそれを横目にどこかに仲間はいないかと目を凝らしたが、全然わからなかった。

ドオオォンッという音に振り返ると、大量の固有種たちがふたりに迫って来ていた。Aはそれを見て、カナの耳を引っ張る。


カナ「いたたた!」

『行くよ!』

カナ「ハイ……」


いつだってAに敵わないのがカナである。

渋々前を向いたカナと顔を見合わせて頷くと、ふたりは魔力を背中へと込めて、グッと力を込める。


『“水孤竜(すいこりゅう)”!』

カナ「“炎翼(えんよく)”!」


ふたりの背中から水の翼と炎の翼が広がった。そのままふたりは目の前から飛び降りて、近しい場所にある島へと降り立つ。

Aは上手く、眼下に広がる木々の間を通り抜けて地面に着地したが、カナは飛んでいる間もイカフラに目がいっていたらしく、着地に失敗して、木々に激突した。

ガサガサガサッと木の葉っぱを揺らしながらカナが降りてくる様をAは静かに見つめる。


カナ「うわああああ!!」


ドスンッと顔面からAの横に着地したカナを、Aは目を細めながら見つめた。


『イカに目がいってるからだよ。』

カナ「いや、助けてくれてもよくない!?」


仕方なく手を差し出すAと、それをとって立ち上がろうとするカナの耳にガサガサッと草木を揺らす音が再び聞こえてきた。そちらに目を向けるふたりの顔がまたか…という風にしかめられる。

現れた固有種たちにAはグイッとカナを引っ張って立ち上がらせると、ふたりで走り出した。カナは木々を上手に避けながら固有種の群れを振り返る。


カナ「ダメ、いい奴がいない。やっぱりさっきのイカが一番よかった……」

『いいから走れ!!』


Aはカナを叱りながら、木々の間から見える空をチラリと見上げた。


『(ルフィ〜、会いたいよ〜!)』


一週間も会えていない最愛のルフィへと想いを馳せる。

ふたりの耳に、手首につけている金と銀のブレスレットのシャランッという音が聞こえた。

【2】→←-5-



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SARA(プロフ) - 大好きです!ルフィ夢が好きなのでありがとうございます!🤍 (5月13日 20時) (レス) @page1 id: 1b37a3f4d3 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初見です。はじめまして、 夢小説を読んでいると、繊細な文章、語彙力を尊敬したい気持ちを持ちました。ルフィと夢主との関係性も好みなタイプでした。 (2021年1月12日 16時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - 面白いです!これからも楽しみにしてます! (2020年4月23日 1時) (レス) id: 7fd268645f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2020年4月22日 1時

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