第一幕 進化のメルヴィユ ページ3
うっそうと樹木が生い茂ったジャングルを、息を切らして走る。
巨大なシダの葉に、麦わら帽子がひっかかって、後ろにずれた。左目の下に傷のある、精悍な17歳の少年の顔が現れる。
モンキー・D・ルフィは〈麦わらの一味〉の船長だ。
世界政府が彼にかけた懸賞金は生死問わず三億ベリー。彼の一味の
だが今、ルフィのそばに頼もしい仲間たちと最愛の少女の姿はない。
ルフィ「もう一週間もたったか……？早く、あいつら捜さねェと。Aのヤツも大丈夫かな……」
ルフィの頭に一週間会えていない最愛の少女の顔が浮かぶ。別れ際に不安そうに自分に手を伸ばす彼女の手を、ルフィは掴めなかった。
ルフィ「カナが一緒だろうしなァ……」
ルフィの服装は、リュックや水筒を抱えた冒険装備だった。とはいえ一週間のサバイバル生活というのは、考えていなかったにちがいない。
ジャングルがとぎれて、見晴らしのいい高台に出た。
ルフィがいるのは、空の島───
大小無数の島々が、海のはるか上、雲の高さに浮かんでいた。それらは、たがいに高度差と距離をたもちながら、風の潮流に乗っている。
手にした棒きれを投げると、ルフィは高度千メートルの空の岸壁から───飛んだ。
命綱もパラシュートもないスカイダイブ。
ルフィ「ゴムゴムのォおお……“風船”!」
ルフィが口を開けると、風圧で、たちまち頬袋いっぱいに空気がたまる。
悪魔の実の一つ、『ゴムゴムの実』を食べたゴム人間のルフィの体は、気球みたいに大きくふくらんだ。
減速しながら、ルフィは別の島に着地した。木々の枝をへし折って、地面で大きくはずむと、吸い込んだ空気を吐き出して、“ゴムゴムの風船”を解き、もとの体にもどって、また走り出した。
そこもジャングルの島だった。しかし落ちるときに建物らしきものが見えた。この空島には人が住んでいるのか……？
だしぬけにヤシの森が押し倒された。
ルフィ「!?」
現れたのはランドゲーターだ。この島の固有種であるのか、背中の鱗がでこぼこしていて、やけにぺちゃんこな体をしている。
サンダルみたいなやつだとルフィは思った。
巻いている尾の長さをさっぴいても、ゆうに十メートル以上はある大物だ。
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SARA(プロフ) - 大好きです！ルフィ夢が好きなのでありがとうございます！🤍 (5月13日 20時) (
レス) @page1 id: 1b37a3f4d3 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初見です。はじめまして、 夢小説を読んでいると、繊細な文章、語彙力を尊敬したい気持ちを持ちました。ルフィと夢主との関係性も好みなタイプでした。 (2021年1月12日 16時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - 面白いです！これからも楽しみにしてます！ (2020年4月23日 1時) (レス) id: 7fd268645f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2020年4月22日 1時
