秘書ってペットじゃないの、知ってます？【夏油傑】

49・飼い主決定しました ページ49

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(ちょ、待って、いきなりすぎる‥‥)


見慣れている彼のはずなのにこんなに心臓が煩いのは
初めて向けられたストレートすぎる愛の言葉のせいか
部屋中に充満する彼の香りのせいか、


たぶん、、どっちもだ。



はくはくと動くだけの、言葉を紡げない口。

頑張って考えようとするのに
背中に回される逞しい腕に
更に心臓は早まるだけで___



「んげっ、げ、げ、待っ」

『絶対待たない』

「夏油さんっ、」



顎をクイ、と持ち上げられ強制的に視線がかちあう。
驚いた拍子に無意識に押し返そうとする腕ごと包みこまれ、与えられた３度目のキスは優しくて甘くて‥


「っ、んぅ‥」


頬を撫でる熱い手についうっとりしていると



『こんな可愛い子、野放しにしてたら
　どんな悪い虫がつくか。
　想像しただけで嫉妬で狂ってしまいそうだ。
　手元に置いて、繋いで置きたいと思うのは
　当然だろう？』



スス‥と首筋を伝う指先。
思い出してポッと体温があがる


いや、気持ちは嬉しい。
でも表現がこう‥変態ちっくなんですよ‥



『と言うことで、ここが新しいおうちね』

「ん？」

『やっと名実共にきみを飼えるようになって
　嬉しくてどうにかなってしまいそうだ』

「‥‥‥はぇ？」



と言うことで、ってどういう事？！
にこにこしている彼に頭が追いつかない。


ここが？
私の新しい家？



『これでずっと側に居られるね』

「夏油さんが言うと監 禁されるみたい‥
　いや軟禁か？」

『あれ‥？なんかそれ、ゾクゾクするね』

「いや冗談です忘れてください」



頭をクシャクシャ撫でられ
耳元に寄るのは彼の‥



『これから毎日甘やかしてあげる』



ズッキューンと心臓を鷲掴みにされた気分。
嫌じゃない心臓の締め付けにクラリとくる。



『だから可愛い声で‥鳴いてね』


(だぁから私は___)

‥言いかけて、やめた。



夏油さんに甘やかしてもらえるのなら、
それ(ペット)も悪くないのかもなんて
思う私は既に従順な‥



「‥‥はい」

『っっ！‥素直なイイコにはご褒美だね』



そのご褒美が欲しくなるように
私は躾けられたのかも？！なんて思いながら



降ってくるソレを期待して目を閉じた____









秘書ってペットじゃないの、知ってます？ ［完］





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