14・ドレスアップ ページ14
.
着たら出ておいでね、と言った彼を残し店員さんに連れてこられた試着室は2階。後ほど参りますね、と店員さんも下がっていった
[VIP ROOM]と書かれたドアを開けるとそこはホテルの部屋のように広く、調度品なんかも置かれていてとても素敵な空間
こんなお店懇意にするって住む世界が違うわーとキョロキョロしながら奥へ進むと大きな全身鏡を見つけた
そこには2着掛かっていて、深いボルドーのセミロングタイプと漆黒のロングタイプ。いままでドレスなんて友達の結婚式くらいしか着たことのない私はその見惚れるような華麗さに単純にテンションが上がった
天井から下がるカーテンをシャッと引き、スーツを脱ぎドレスを手に取った
まずボルドーの方を着てみるが、背中が腰辺りまで大胆に開いていて下着が丸見えに。なんじゃこりゃ、セクシーすぎる。そして絶対似合わない。
『んー、ブラつけられないし、無しかな‥』
次に着た黒の方は肩や背中は隠れていて、胸元は繊細なレースがあしらわれ大人っぽくて私好み。身体のラインが目立つようなピッタリとしたデザインでロングスカートには長めのスリットが入っている。
これ走ったら足丸見えじゃん、あ仕事じゃないんだから走らないか、と太腿の真ん中辺りまであるスリットをぴらっとめくってみた。
ガチャ、とドアの開く音がしたから店員さんが戻ってきたと思いカーテンを開ける
「これ着てみたんですけど、どうで___
すか、と上げた顔の先にいたのは夏油さん
ハッとした顔の後、頭の先からつま先まで何度も往復する視線に居心地が悪くなる。
無言はツライな。笑うなり、なんならからかう位のリアクションで良いので返してほしい。
「こんなちんちくりんが、こんな大人っぽいドレス、変‥でしたよね」
自分で言って惨めな気持ちになる。着替えよ、と背中を向けた瞬間、グッと手首を掴まれた
『似合ってる!‥とても、似合ってるよ』
その目があまりに真剣で、そらせない。
『あぁどうしよう、あまりに可愛いから他の奴らに見せたくないんだけど、』
「え゛、パーティ行くんですよね?」
『うーん、‥やめちゃおうか?』
「何言ってるんですか社長に言いますよ!」
ふざけないでください、と掴まれた手首を軽く振りほどいてみるも、彼の大きくて熱い掌の感覚はしばらく消えてくれなかった。
.
668人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみっことかげ(プロフ) - 歯磨き子さん» コメントありがとうございます!嬉しいです☆お、ここにも夏油さん推しがいらっしゃいましたか!!かっこいいですよねぇ本当! (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き子 - キュンキュンしすぎて・・・ありがとうございます。夏油推しには最高です、夏油様どこにいるんでしょうか() (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 0d41b786f3 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - こんぶさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんばりに驚いてもらえましたかね?面白いと言ってくださり嬉しいです!何故こんなおかしな事になってるのか、次話で明らかになるのでお楽しみに!! (2021年9月26日 7時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ - NYの新事実に目玉が飛び出る所でしたw私もニューヨークだと思っていたので。本当に面白いです(*^^*) (2021年9月26日 3時) (レス) @page44 id: 7f18273dc2 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - しゅーくりーむさん» コメントありがとうございます!わあ!そう言っていただけて嬉しすぎます!夏油さんかっこいいですよね、やばいですよね。理想を崩さないように頑張って書きますね!! (2021年9月23日 8時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すみっことかげ | 作成日時:2021年8月12日 16時