episode16. ページ18
「すんませんした」
私は今、あのキヨの家に居る。
そして目の前では、キヨさんとガッチマン店長が土下座をしている。
昨日の今日で、SNSがプチ炎上中の彼は、炎上した理由と、私の個人情報が流出寸前の状況を事細かに話してくれた。
炎上の元になったつぶやきは、私の手を握ったキヨさんが歩いているところを、横から撮った画像が付いており、本来いるはずのあかねは、ちょうどカメラの枠外だったようで、写っていなかった。
「いや、謝られても……」
私が戸惑っていると、ガッチ店長が話し出した。
「Aちゃんは怒っていいんだよ？ 元はと言えばコイツの不注意な訳だし」
と、キヨさんを指さした。
「いや、まさかひきフェス中に打ち合わせとか思わなくて……」
キヨさんはボソボソと何か言っているけど、私には聞き取れなかったけど、そうかもしれないけどー、と言うガッチさんをみて、パパ味強いな、なんて思ってた。
正直なところ、炎上した後がどう恐ろしいのか、私には皆目見当もつかない。だって私、ただの一般人な訳ですし。
キヨだって、芸能人じゃないんだから、プライベートくらいほっといてやれと思う。
まあ、推しが女の子と手を繋いで歩いていたら、発狂ものかもしれないけど……。
「……私、どうすればいいんですかね？」
ふと、言葉が口を突いてでた。個人情報流出なんてしたら、今の職場にはきっと居られないし、引っ越しもしなくちゃいけないかもしれない。
不安が、込み上げてきた。
そんな私をみて、ガッチさんは言った。
「……これはもう、キヨに守ってもらうしかないよ」
「……え？」
episode17.→←episode15. --ky said--
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作者名：咲希さん | 作成日時：2020年12月22日 15時
