69話 ページ21
『今のは…』
「デザームの必殺技ですよね…!?」
「源田の奴、いつの間に…」
ドリルスマッシャー。エイリア学園との戦いの中で、雷門イレブンが特に苦しめられた必殺技の一つだ。それをまさか源田が繰り出すとは思わず、イナズマジャパン陣営は揃って目を見張る。
「驚くのはまだ早い!」
源田からボールを受け取り反撃に出る砂木沼。鬼道と基山をイリュージョンボール改、土方をダッシュストームV2で瞬く間に突破する。前者は帝国学園、後者は世宇子中の必殺技であった。
「まさか…あいつら、他の選手の必殺技をマスターしているのか!?」
そんな可能性に思い至った鬼道の表情に、僅かに焦りの色が浮かび上がった。そうこうしているうちにも砂木沼はゴール前に辿り着き下鶴へとパスを送る。右足の下にボールを置いたその瞬間、足元に広がった円い宇宙が下鶴を呑み込んだ。
「グングニル、V2!!」
「うおおおおおっ!!正義の、鉄拳!!!」
下鶴のグングニルV2と円堂の正義の鉄拳G3がぶつかり合う。円堂が弾き返そうと最大限に腕を伸ばすもシュートの威力が落ちることはなく、やがて黄金の拳を打ち砕きゴールネットに突き刺さった。
「なんなんだよ、今のパワー…!?」
「円堂守」
「!」
正義の鉄拳でも弾き返すことができないほどのパワー。尻もちをついたまま自身の震える右手を見つめていた円堂は砂木沼に名前を呼ばれ顔を上げる。
「…私は、お前からサッカーとは熱く楽しいものであることを学んだ」
「だが!!」鬼気迫る表情で砂木沼は続ける。
「同時に勝負とは!辛く険しく、そして厳しいものなのだ!!」
砂木沼の脳裏をよぎるあの日の選考試合。招集すらされなかった自分はただ木陰からひっそりと眺めることしかできなかった。
瞳子に自身を鍛えてほしいと頼み込み、ネオジャパンを結成し、その後はひたすら特訓の日々。イナズマジャパンが勝ち進んでいくのを横目に励み続け今日まできた。これはチャンスだ、たった一度きりのチャンスなのだ。負けるつもりなど毛頭ない。悔恨、屈辱、苦艱、それらの想い全てを胸に、ただ全力を尽くすのみ。
「日本代表の座は必ず勝ち取る!!!」
世界を相手に戦う。その、権利が欲しいのだ。
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bizyu(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！これからまた読み直そうと思います！ご自身のペースで更新してくださると嬉しいです(◍•ᴗ•◍) (12月28日 21時) (
レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とても面白かっです！！続きが気になりすぎて夜しか眠れません。更新よろしくお願いします (12月15日 18時) (レス) id: 51c9a307dd (このIDを非表示/違反報告)
サカナ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます！思わず一気見しちゃいました笑更新楽しみにしてます！ (10月29日 22時) (レス) @page29 id: ff0b9e3173 (このIDを非表示/違反報告)
テオ - とても面白かったです！続きが気になります！！また書いてくれるのを楽しみにまっています！ (8月31日 9時) (レス) @page29 id: 715df6a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - またまた戻って来てしまいました……！イナズマイレブン熱はいつになっても冷めないようです笑何度読んでも面白くて最高です！ (8月21日 19時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不二市
| 作成日時：2019年1月7日 3時
