【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス VII (ページ23)

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23話ページ23

『綱海くーん』

さらに時間が進む。音を立てないように注意を払いながらの練習はできることに限りがあり、結局何百回もリフティングを続けて技術の向上を図っていた水城。しかし彼女もそろそろ本格的にボールを蹴りたくなってきたので隣人の綱海に許可を取ってから壁打ちしようと思っていたのだが、どうやら不在のようだった。

「一青、何してるんだ?」

『キャプテン。いや、ちょっと許可を貰いにきたんだけど…』

「?」

扉から顔を出して頭上に疑問符を浮かべた円堂は、よく分かんないけどとりあえず俺の部屋来いよ、と綱海の部屋の前に佇む水城を自身の部屋に招き入れた。

『えっ綱海君外に出られたの?』

「なんかちょうど監督が見張ってなくて…」

『運が良かったのかな…』

小細工なんか性に合わねえ!俺は堂々と出ていくぜ!!と、足音も消さずに本当に堂々と階段を下りていった綱海。水城の言うとおり運が良かったのかなんなのか、見張りの久遠はおらずハイテンションで雷門中から出ていったのだ。ちなみにどこに行ったのかは定かではない。

「俺たちも出ていこうとしたら普通に監督いたしさあ…」

『あらら』

円堂がベッドの上でボールを抱えながら唸ったそのとき、扉がノックされその直後に鬼道が姿を見せた。円堂だけだと思っていたため水城がいたことに一瞬驚いた様子を見せる。

「一青もいたんだな。…そういえば一度も外に出ようとしていないが…」

『ああ、』

「飛鷹さ──ん!!いるんでしょ──!?」

鬼道が不思議そうに言うので水城は答えようとするも、外からの聞き覚えのない声によって遮られる。しかし名指しされているのは少なくとも知っている人物で、3人は窓から外の様子を覗き込んだ。

「やめてください…!」

「飛鷹さ──ん!!出てきてください!!」

不良のような風貌をした少年4人は明らかに部外者で、秋の制止も無視して騒ぐ彼ら。よく見れば箒を奪われていた。

『飛鷹君…?』

「待て円堂、今行って大事になっても困る」

「くっ…」

弾かれたように部屋を出ていきそうになる円堂を鬼道が肩を掴み止めた。円堂が行って事態が悪化するよりも、彼らの目的である飛鷹が出た方が早い。

「飛鷹さん!!」

「静かにしろ鈴目!!」

「!」

しばらくすると飛鷹が合宿所から出てくる。鈴目と呼ばれた彼と飛鷹が一言二言言葉を交わすと、どういうわけか彼らは雷門中から出ていったのだった。