【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス VII (ページ14)

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14話ページ14

「…なんだ?その顔は。まさか、自分たちが世界レベルだと思っていたわけではあるまいな?」

そう追い打ちをかける久遠に何も言えない。当たり前だ。このイナズマジャパンにはエイリア学園騒動を収束させた地上最強イレブンのメンバーや、そのエイリア学園の最強の戦士など、全国の実力者が揃っているのだ。

「お前たちの力など、世界に比べれば吹けば飛ぶ紙切れのようなものだ!」

それをまさか通用しないと、紙切れだと、吐き捨てられるとは想像もしていなかった。それほど世界の壁は厚く、堅く、高いのだと言いたいのだろうか。

「私は、そんなお前たちを一から鍛え直すよう頼まれた。中には私のやり方に納得できない者もいるだろう。だが、口答えは一切許さん」

私の言うとおりに実行することだけを考えていればいいと続けられ、独裁という言葉が頭に浮かんだのは片手で数えられる人数ではなかったはずだ。

「特に鬼道、吹雪、豪炎寺、円堂!私はお前たちを、レギュラーだとは全く考えていない。試合に出たければ、死ぬ気でレギュラーの座を勝ち取ってみろ!以上だ!!」

こうして久遠により鋭い釘を深く刺された後、胸にもやもやとした蟠(わだかま)りを抱えながらも練習が始まったのだった。

「流星ブレード!!」

「正義の、鉄拳!!」

2チームに分かれての紅白戦。空振っても気にしない様子でポンパドールを櫛で整える飛鷹など、些細な問題はあったもののその他のメンバーの調子は良さげで、自分たちのプレーができていた、

「ストップだ」

はずだった。壁山が何度目かのシュートをザ･ウォールで弾きラインの外に出したとき、久遠がそう声を飛ばしフィールド内に足を踏み入れる。全員が不思議そうに久遠を見遣った。

「壁山、どうしてもっと前に出ない!突っ立っているだけがディフェンスか!?」

「えっ…?」

「守ることしか考えていないディフェンスなど、私のチームには必要ない!」

ディフェンスの仕事を全うしていたつもりだった壁山は、それ以上の働きを求められたことに唖然とする。続いて久遠は風丸の方を向き、そして尋ねた。

「何故土方にパスを出した?」

「えっ…何故って…」

「鬼道が言ったからか?お前は鬼道の指示がなければ満足にプレーもできないのか!」

そう言うと久遠は元いた場所に戻り、腕を組み監視するようにフィールド内を見据える。そんな久遠の叱咤は、練習が終わるまで延々と続いていたのだった。