【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ3)

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148話ページ3

「俺は、完璧にならなきゃならないんだああああっ!!!!」

そう叫びながら再び打ち込んだエターナルブリザード。それは技もなしに片手で受け止められてしまい、雷門イレブンに動揺が走る。まさか、片手で軽々と止められてしまうなんて。氷の破片が静かに落ちていく。デザームの表情は全く高揚しておらず、むしろ憤慨しているようにも見えた。

「そんな…馬鹿な…」

「楽しみにしていたのにこの程度とはな…」

言葉を失い震える吹雪。デザームはそれにさえ興味がないと言うように、ボールを外へ投げ出し背を向けた。

「お前はもう、必要ない」

次の瞬間吐き捨てられた言葉は吹雪士郎を、吹雪アツヤを、壊すには十分すぎるほどだった。ひゅっと息を呑む音が聞こえ、水城が即座に吹雪に駆け寄る。

「必要、ない?」

士郎としても必要ない…。

アツヤとしても必要ない…。

じゃあ僕は…
じゃあ俺は…

なんなんだあああああああああっっっ!!!!!!

まるで、魂が抜けたかのようにふっと頽(くずお)れる吹雪。尻もちをつきそうになったところを後ろから間一髪で水城が受け止め、静かに腰を下ろさせ呼びかける。返事はなく、目にも光はなかった。

「監督!これ以上無理をさせてもまた…!!」

「っ選手交代!!立向居君、吹雪君と代わって…!」

「は、はい!」

「水城さん、フォワードに上がってちょうだい!」

『っ分かりました!』

呆然とその状況を見ていた瞳子が秋に言われ、はっとして選手交代を言い渡した。円堂と鬼道が肩を貸して吹雪をベンチに連れていく。

「吹雪、ここで見ていてくれ。俺たち皆で、お前の分まで戦い抜く!」

円堂は吹雪に一言声をかけてからフィールドに戻っていった。その背を見送ってから、気遣わしげに吹雪を見る水城。

『…無茶しないでねって、頼ってよって言ったでしょう吹雪君…』

「……」

『…吹雪君の分も、ちゃんと戦うからね』

吹雪の手を取りぎゅっと固く握る。握り返されなかったことに眉を八の字にしつつ、『いってくるね』とフィールドに戻っていった。

「いくぞ皆あーっ!!」

「吹雪が抜けたから弱くなったなんて言わせねえよ!」

「任せとけ!吹雪の分までやってやらあっ!」

「私を楽しませてくれる奴が、他にいればいいがな…」

波乱の前半、再開。