105話 ページ8
「まったく…」
「いや、あまりにも珊瑚が美しいので…」
船がもう少しで島に到着するというときに目金が海に落ちた。慌てて円堂が助けに行こうと手摺から身を乗り出したが、それよりも先に見知らぬ少年が救出する。黒く焼けた肌と桃色の髪を持つ、ゴーグルを頭に着けた少年だった。
「ありがとう!君は目金の命の恩人だ!」
「よせよ、礼を言われるほどじゃねえって」
「そうですよ、僕だって泳げるんですから…」
「馬鹿野郎!海を甘く見んな!!海は命が生まれる所だ、命を落とされちゃたまんねーよ!!」
代表して円堂が礼を言うと、彼は気にするなと返した。小声で言い訳をする目金はもう少し反省した方がいい。サーフボードを抱えていることからサーフィンをしていることが分かる。
「ま、とにかく無事で何よりだ」
そう言って、円堂が何か言うよりも先に「じゃあな」と去っていった。こうして良い感じで事態は収束したのだが
「次の船は明日ああ──っ!?!?」
次の問題が発生した。塔子が叫んだように、次の船が出るのは明日なのだ。「今日はこの島に泊まるしかないわね」と日傘を差して紫外線対策ばっちりの夏未が、ため息混じりにそう言った。
「よしっ練習するぞ!」
「…練習って」
「どこで…?」
周りを見渡すがグラウンドらしきものはどこにも見当たらない。疑問符を浮かべる雷門イレブンに、円堂は親指で背後の砂浜を示しその白い歯を見せてにかっと笑った。
「さあやるぞ!やる気さえあれば、そこがフィールドだ!!」
「「「「おおっ!!」」」」
こうして始まった砂浜での練習。即席のゴールの前にはそれぞれ円堂と立向居。円堂チームには一之瀬、塔子、リカ。立向居チームには鬼道、壁山、水城。他は用意したベンチで待機だ。
「いくぞ、円堂!」
「よーし、こい!!」
鬼道から水城へ、そして蹴り込む。正義の鉄拳を発動させようとした円堂だが、やはり陽花戸中のときと同じタイミングで霧散しゴールが決まった。壁山とハイタッチする水城。手のサイズの差が凄い。
「ギューンて、なんなんだ…」
「焦るな円堂!究極奥義と名付けられた技だ。そう簡単に覚えられるはずがない」
「…そうだな!究極奥義、身に付けたらどんなシュートだって防げるんだろうな!絶対覚えてみせるぜ!!」
372人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:不二市 | 作成日時:2018年4月9日 0時