143話 ページ46
「できた────っ!!」
『……キャプテン…?』
大海原中の教室を貸してもらいそこで寝ていた水城。まさか目覚まし時計ではなく、円堂の声に起こされるとは思ってもいなかった。
「いくぞ、円堂!」
「こい!」
そして練習時間。完成したという正義の鉄拳をお披露目するために円堂、鬼道、一之瀬以外はフィールドの外に出てそれを見届けようとしていた。ちなみにトリニティブーストは完成していないので水城も見守るのみ。鬼道と一之瀬がツインブーストを打ち込むのだ。
「「ツインブースト!!」」
ボールを蹴り込まれた瞬間、円堂が左足を高く上げた。そして踏み込み、神々しい気を
「円堂君!」
「できたっスね!とうとう究極奥義正義の鉄拳が!!」
「やったな円堂!」
円堂に駆け寄り嬉しそうに口々にそう言う仲間たち。「なんだろう、この感じ…。……!!」一人どこか違和感を覚えた立向居はその様子を遠巻きに見ていた。ふと上空を見ると、赤と黒のサッカーボール。
「あれは…」
「イプシロン…!!」
それはフィールドの真ん中に埋まり、いつの間にかイプシロンの選手たちがそこにいた。土煙が晴れると顕になったその姿。今までと違い、白目の部分が赤く染まっている。
「我々はパワーアップし、イプシロン改となった」
「イプシロン、改…?」
「我々は雷門に勝負を挑む!」
「「「「!!」」」」
突然現れたと思えば勝負を挑んできたイプシロン改。ジェネシスの命令かと鬼道が問えばそうではなく、デザームをはじめとするイプシロン改全員の意思だとゼルが返す。
「もう一度楽しみたいのだ、実力が拮抗する者同士によるぎりぎりの戦いの緊張感、高揚感…!あの抑えられない興奮を感じながら、お前たち雷門を倒す…これ以上の理由がいると思うか…!?」
「そんなお前らの都合だけで戦えるかよ!」
「断れば、その辺の学校を一つや二つ破壊することになる」
土門がデザームに言うとゼルがそう返す。愕然とする雷門イレブン。「彼らに勝てなければ、エイリア学園最強のザ･ジェネシスを倒せるわけがない…」瞳子がぽつりとこぼし、急遽イプシロン改との試合が決定してしまった。
「ちょいとそこまで夕食の調達に来たら、とんでもねえ展開になってやがる…」
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作者名：不二市
| 作成日時：2018年4月9日 0時
