136話 ページ39
「上がれ塔子!」
「任せろ!」
立向居からのスローインで試合再開。鬼道が受け取りすぐさま塔子に繋げる。奪いにくる綱海を軽く
「すげえぜ鬼道!やっぱりお前は、天才ゲームメーカーだ!!」
その様子を見ていた円堂が讃えると鬼道は静かに口角を上げる。鬼道は、大海原のリズムを変えて試合全体のリズムを組み替えたのだ。そう簡単なことではない。音村が眼鏡の奥で目を細めた。
「ちくしょう今度こそ…!」
「綱海出るな、スルーしろ!4ビートで赤嶺、綱海に渡せ!!」
攻め上がってくるリカのボールを奪おうとする綱海だったが音村が止める。立ち止まった綱海はもちろん突破されたのだが、その奥にいた赤嶺がボールを奪い、指示により綱海にボールが渡った。
「いただきっ!」
「…!」
「東江に!」
「こっちだ綱海!」
咄嗟にトラップして足元に置いたはいいが、ここからどうしたらいいのか分からない。見渡す綱海にチャンスだと塔子がスライディングを仕掛けるが、音村の指示に従って東江にボールを送り回避した。
「やられたよ!」
「綱海、ナイスパスだったぞ!」
敵にも関わらず讃える塔子の去っていく背中、そしてぐっと親指を立てる宜保を不思議そうに綱海は見ていた。
「なんだよこの感じ…サーフィンとはまた違う一体感…」
「一青!!」
改めて白熱した試合を展開するフィールドを見回す。そして、目覚めた。このサッカーという競技に。その瞬間、綱海は走り出した。
「うおあああっ!!」
鬼道から水城へのパスの間に割り込み、横っ飛びでボールを奪いそのまま渡具知に送った。「良いぞ綱海!」と言う渡具知に「おう!」と返した綱海はどこかすっきりした様子だ。「これでまた、リズムが変わったね」それを見ていた音村は、鬼道に向かってそう言って笑った。
「ダーリン!!」
両者全く譲らない互角の攻防。しかし残り時間は僅かだ。リカからボールを受け取りドリブルで上がっていく一之瀬。「行かせねえぜ!」そしてコースを塞ぐ綱海。今までだったら突破できていたのだが先程何かが吹っ切れたのだろう、一之瀬の足元から上手くボールを奪った。
「っくそ、これじゃパスができねえ…!」
そして見回すが、仲間は全員マークされていた。迷った末綱海の出した答えは。
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作者名:不二市 | 作成日時:2018年4月9日 0時