131話 ページ34
「皆、ノってくぜ!!」
「「「「おおっ!!」」」」
大海原からのキックオフ。池宮城から古謝にボールが渡り、ヘッドリフティングを4回してから東江に。東江はくるりと回ってオーバーヘッドキックで渡具知へパスを出し、渡具知は受け取りそのままボールを頭に乗せた。
「こいつは俺も負けられねえぜ!渡具知!」
何に負けられないのかはよく分からないが、綱海が呼ぶと渡具知は綱海に向かってボールを蹴る。そして高く上げられたボールを、綱海は横っ飛びで受け取った。
「んんんん〜っナイスキャッチ──ッ!!」
「「「「ふうーっ!!」」」」
「やっぱすげえぜ綱海!!」と我に返った円堂は讃える。しかしこれまでのパフォーマンスに意味はあったのだろうか。いや、ない(反語)。また帰ろうとした夏未を秋と春奈が止めた。
「何がノってけよーや!そんなんでウチらに勝てると思ったら大間違いや!!」
「…アップテンポ、8ビート!!」
リカが古謝のボールを奪いにいくと同時に音村が何か指示を出すと、驚くことにリカを
「だったらあたしが…。ザ・タワ───!!」
「…アンダンテ!2ビートダウン!!」
塔子がザ・タワーを発動させるとともに、また音村から指示が出される。古謝は落とされた雷を
「トゥントゥク トゥントゥク トゥントゥク…」
『…?』
水城は振り返りすれ違った音村を見る。何か言っていたようだが、それを理解することはできなかった。
「「イーグルバスター!!」」
立向居が渡具知に抜かれ、そしてノリで上がってきたディフェンスの宜保が池宮城と古謝を投げ飛ばし、いきなり必殺技。しかしそこは円堂、きちんと対応してがっちりと止める。まさか止められるとは思わず、凄い奴だったんだな、と綱海は感嘆した。
「「「「いえ───い!!」」」」
「ナイスシュートだーっ!!円堂君もよく止めたぞーっ!!」
止められたのにも関わらず盛り上がる大海原イレブンと、敵である円堂を讃える大海原の監督。春奈が乾いた笑いをこぼすが、あのノリなのに高い実力を持った大海原イレブンに秋は関心し、夏未もベンチを去ろうとすることはなくなった。
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作者名:不二市 | 作成日時:2018年4月9日 0時