125話 ページ28
「さあ、今日も張り切って特訓だ!!」
「「「「おおっ!!」」」」
選手たちは炎のストライカー探しを一旦切り上げ、今日は海に面したグラウンドで練習の日。マネージャーたちはドリンクとタオルを準備してから聞き込みに行くそうだ。秋と春奈は張り切っているが、夏未はどこか辟易した様子だった。
「お──っす!!」
「土方!」
土手の上から声をかけられる。見ると土方で、大きな籠を背負って手を振っていた。
「よかったら食ってくれ!うちの畑で取れた新鮮野菜だ!!」
下りてきた土方はベンチにどすんと音を立てて籠を置く。その中には若々しくて張りのある、色鮮やかな野菜がたくさん詰まっていた。
「そうだ、一青には是非大根を食ってほしい。弟たちがお前にと、珍しく張り切って5人で収穫してきたんだ」
『わあ、美味しくいただきます。土方君ありがとう、弟君たちにもよろしくね』
「おう!」
「ありがとう土方!」
「なあに、地球を守ってもらってんだ!いつも元気でいてもらわないとな!!」
名指しで言われた水城。少し顔を合わせただけだというのに、と言うが、それだけ水城が土方の弟妹たちにとって印象的だったということだ。
「え──んど────う!!」
そんなとき、海の方から声が聞こえてきた。突然のことに全員が驚いてそちらを見る。「ひゃっほ─────い!!」とハイテンションな声には聞き覚えがあり、まさかの再会に円堂は嬉しそうに「綱海!」と声を上げた。そういえば沖縄に住んでいると言っていた。
「よう、探したぜ円堂!!」
波に乗っていた綱海はあろうことかグラウンドと海の間に植えられた木々を飛び越え、そして落ちてきた。後から落ちてきたと思えば地面に垂直にぶっ刺さったサーフボードにドン引きする雷門イレブン。そんなことは気にせずにゴーグルを上げると歯を見せて笑いそう言った綱海。
「ちょっと危ないじゃないですかあ!こんな物で飛んできてーっ!?」
「わりーわりー!お前ら見たら、すっ飛んでいきたくなってな!」
サーフボードがもう少しで地面の代わりにぶっ刺さりそうになっていた目金。冷や汗だらだらで先端に273とプリントされたサーフボードをべしべしと叩く。
『綱海君、私たちの方にすっ飛んできたくなるほどの用事があったの?』
「おっそうなんだよ一青!円堂、俺たちのチームとサッカーやらねえか!」
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作者名：不二市
| 作成日時：2018年4月9日 0時
