121話 ページ24
「じゃあこれからはウチと一青とでスリートップ〜?」
「フォワードは俺1人か、こいつと俺の2人で十分だ」
『えっ何?』
「うわなんやこいつ感じ悪っ!!」
背後からリカが言うと南雲は自分1人か、水城との2人で十分だと返す。ベンチから今来た水城は聞こえず聞き返したが、ばっちり聞こえていたリカは顔を
『南雲君とツートップ?え〜…』
「てめえ、何が不満だ」
『態度とか…』
「はっきり言うな」
「監督!南雲をチームに入れます、いいですよねっ?」
水城と南雲の小さな口論が始まろうとしたところで、円堂が瞳子に目を輝かせながら尋ねる。豪炎寺ではなかったにしろ、頼れる仲間が増えるのはやはり嬉しいのだ。
「大きな戦力になることは認めましょう。ただその前に、いくつか質問があるわ」
瞳子がベンチから立ち上がる。「いいぜ」と返事をした南雲に歩み寄った。「これから一緒に戦っていく以上、私には貴方の身柄を預かっていく責任があります」
「まず、貴方はどこの学校の生徒なの?」
南雲の前に立った瞳子がそう尋ねる。そして気付いた。南雲が自分、ではなく自分の後ろを睨み付けていることに。
「エイリア学園だよ」
「ヒロト!?」
「待て円堂!!」
振り向こうとしたそのとき、聞き覚えのある声が響いた。給水塔の上に基山ヒロト、人間の姿のグランがいた。円堂が給水塔の下に走り寄ろうとするところを慌てて鬼道が腕を掴み止める。
「エイリア学園ってどういうことだよ…!」
「チッ…」
塔子が困惑した様子で尋ねるも南雲は舌打ちする。その態度で基山の言ったことが本当なのだということが確定してしまった。どういうことだと円堂がヒロトに問いかけるも返答はない。
「あ──あ!ったく、邪魔すんなよグラン!!」
「雷門イレブンに入り込んで、何をするつもりだったんだ?」
「俺はグランのお気に入りがどんな奴か見にきただけよ」
グランのお気に入り、それは恐らく円堂。「騙されちゃ駄目だよ円堂君」そう言って、出現させた輝く白黒逆のサッカーボールを南雲に蹴り込んだ。慌てて円堂が止めようとマジン・ザ・ハンドの構えを取るも、それよりも先に南雲が円堂を飛び越えてボールを胸でトラップして止めた。その瞬間、発生した竜巻が南雲を包み込む。
「南雲、お前…」
「俺か?こっちが本当の俺、バーンってんだ。覚えときな」
竜巻が消え姿を現したのは姿が変化した南雲、バーンだった。
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作者名:不二市 | 作成日時:2018年4月9日 0時