【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス III (ページ23)

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120話ページ23

「跳んだ!?跳びましたよ!!」

「こんなのさっきは見せなかったぜ!?」

ホイッスルが鳴ると南雲は前に軽くボールを蹴る。その瞬間鬼道、リカ、目金がボールを奪おうと走りだすが、それよりも先に南雲が高くボールを蹴り上げ、自身もそれを追いかけて跳んだ。滞空時間が長く、もはや飛んでいる。

「すげえな」

「空中戦が得意なんでしょうか…」

『身軽なのもありそう』

ベンチから見ている瞳子とマネージャーに、立向居、水城、土方。南雲を疑いの目で見ていた土方も、そのプレーには腕を組んで見上げながら感嘆の声をもらした。

「ディフェンス!」

「おお!」

「よおし!」

そのまま空中で炎を纏(まと)ったシュートを放った南雲。頭上から突破された鬼道が即座に指示を出すと塔子と吹雪が返事をする。壁山と木暮は圧倒され腰が引けているように見えた。

そして繰り出したザ･タワー。しかし一度着地してすぐにまた跳んだ南雲が1人で行(おこな)ったシュートチェインによりシュートの威力はさらに上がり、巨大な塔は呆気なく崩されてしまった。

だが続けて吹雪によって繰り出されたアイスグランドにより威力は殺されボールは空中へ。それを取ろうと吹雪が跳ぶも、それよりも先に南雲が掻っ攫っていった。南雲に挑発するように笑われた吹雪の目が、一瞬黄色になったのは気のせいだろうか。

「地面に足が着いてるより、跳んでる時間の方が長いかも」

「ボールのコントロールも絶妙ですよ…!」

塔子と吹雪が抜かれて、壁山と木暮が取りにいこうとするも高く跳び頭上を越えられる。正確に時間は分からないが一連を見ていた秋がそう呟き、立向居も驚嘆しながら同調した。

「紅蓮の炎で焼き尽くしてやる!!アトミック、フレア───ッ!!!」

紅炎を纏(まと)った凄まじいシュート。「よおし、こい!!」と繰り出した円堂のマジン･ザ･ハンドは、ボールに触れた瞬間に破られてしまった。

「すっげえな南雲!!」

「当たり前だ!俺が入れば宇宙人なんかイチコロなんだよ!!」

ボールと共にゴールし、ゴール内に座り込んだ円堂が南雲を讃える。自らを炎のストライカーだと売り込んできて、自信があると豪語しただけのことはあった。

「テストは合格か?」

「もちろん!うちのチームで、一緒に戦おうぜ!よろしくな南雲!」

「…マジン･ザ･ハンド、悪くねえ」

「ん?」