36話 ページ36
「鬼道君、佐久間君と源田君は君のチームメイトだったんでしょう?」
「だった、ではありません。今でもチームメイトです…!」
「…そう。今日の試合、貴方に任せるわ」
「!…ありがとうございます」
瞳子が影山がいるであろう場所を見て、それから鬼道に言う。世宇子中を倒すために雷門中に転校した鬼道。だが帝国学園を見捨てたわけではない。決して。瞳子はその力強い鬼道の言葉に目を細めると采配を任せると言ってベンチに戻る。鬼道はその背中に頭を下げた。
「鬼道、やろうぜ!」
「ああ。だが相手は影山だ。どんな汚い手を使ってでも勝とうとしてくる…!」
「どんなに汚いやり方でも、俺たちは正々堂々と打ち破ってやる!なっ皆!!」
「「「「おおおっ!!!!」」」」
士気を高めるとフィールドへ出ていった仲間の背中を鬼道は見ていた。まるで、過去に思いを馳せるように。
「さあついに始まりました雷門中 対 真・帝国学園の試合!!」
「佐久間、見せてやれよ!お前の力を!!」
例により角馬の実況。あちらからのスタートで、不動から佐久間にボールが渡る。佐久間はボールを足の下に置くとゴールを睨み付けるようにして見据えた。円堂が表情を引き締め身構える。
「はああああっ…!!うおおおおおお!!!!」
「!!やめろ佐久間あ!!!!」
大きく息を吸い怒号のようにも聞こえる雄叫びを上げた佐久間。次の瞬間人差し指と親指で作った丸を咥え、勢いよく指笛を鳴らす。地面から出現したペンギンは赤く、心なしか気性が荒かった。
「それは…禁断の技だ!!」
「皇帝ペンギン…1号─────っ!!!!」
地面から飛び出し、空中を旋回してから佐久間の足に噛み付いた5羽のペンギン。痛みに顔を歪めるがそのままシュートを打ち込む。鬼道が伸ばした手は空を切っただけだった。シュートモーションを終えた佐久間が尋常ではない痛みに、自身を抱き締めるように肩を抱いて堪える。
「ゴッドハンド!!ぐっ…うわあああっ!!」
円堂ごと佐久間のシュートがゴールに入った。
「体中が、痛い…!こんなシュート初めてだ…!!」
円堂は腹を押さえながら
「佐久間、お前…何故…!」
「見たか鬼道…俺の皇帝ペンギン1号!!」
「二度と打つな!あれは、禁断の技だ!!」
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作者名:不二市 | 作成日時:2017年9月20日 9時