【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス (ページ4)

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4話ページ4

「す、すげえ…!!」

「まさかこれほどまでとはな…」

校長室へ向かった瞳子と別れグラウンドへと向かった雷門イレブン。見ると得点板の数字は3-0。左が湊側だ。ちょうど湊が自陣で相手からボールを奪い前線にパスを送った場面だったのだが、そこからの展開は早かった。

センターサークル付近にいた他より比較的綺麗なユニフォームを身に纏(まと)った選手が、ボールを高く上げた仲間を一切見ずに空中で受け取り、瞬く間にディフェンス陣を突破してゴール前に辿り着いたのだ。まさに圧巻だった。

「恐らく、あの人が水城一青さんですね」

「本当だ、キャプテンマークを付けているね。確かにあんな身体能力の選手はそうそういないよ」

白と青のセーラー服のようなユニフォームの二の腕部分に赤いキャプテンマークがある。春奈と吹雪がそんな会話を交わしているうちにも、水城はシュートモーションへ入った。

「!!」

「あれは…」

「ファイアトルネード!?」

「いや違う…」

『アクア、トルネ───ド!!』

豪炎寺のとは似て非なるその技は、彼の炎をも消し去ってしまいそうな勢いの水をボールに纏(まと)いゴールへと一直線に向かう。

水を侮ってはいけない。普段は粛然とし穏やかだが、ときには人間に牙を剥き、ときには命さえも奪ってしまう。そんな鉄砲水のような鋭い一撃に相手は打つ手もなく、4点目がゴールに突き刺さった。

水城のもとにチームメイトは集まって湧き立ち、中には飛び付いてぐるぐると回されている小柄な選手もいた。春奈の言っていたとおり仲は良いようだ。

その後も行く末を見守っていた雷門だが、最終的には7-0、湊側の圧勝で試合の幕が閉じる。フィールドに立っていたどの選手のユニフォームも泥にまみれていた。

「あ、圧勝だったな…」

「チームのスタイルがすでに確立されていた」

「ええ、どの試合のデータを見ても全く同じメンバーです。11人ちょうどしかいないからこそ、先程のような息の合った完璧な連携ができるんでしょうね」

ベンチで監督の講評を聞いているらしい湊イレブンを眺めながらそれぞれが口々に言う。その間に校長室へ行っていた瞳子が戻ってきて、そして今まで選手たちを見ていた湊の監督がこちらに顔を向けると瞳子と目を合わせる。いよいよ、対面のときだ。