一匹狼。2 【Shota.W】 (ページ10)

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岩本｢ちゃんと仕事してんの？翔太｣

｢してるじゃん今｣

あれだけ来んなって言ったのに、

照は佐久間とふっかと阿部を連れてきた。

深澤｢舘さんの料理マジで楽しみだわー｣

…しかも軽食まで頼んでるし。

佐久間｢いや～でもやっぱメイド最高｣

阿部｢さっきからそればっかじゃん笑｣

佐久間は通り過ぎるメイドをずーっと見てる。

…絶対若林さん探してるでしょ。

そして予想どおり、

佐久間｢あっ若林さーん！｣

うわっ、なに声かけてんの。

若林さん優しいからこういうの無視することなく、

こっちを振り向いて佐久間に手を振ってる。

阿部｢翔太、顔やばいよ笑｣

｢いや…複雑なの｣

佐久間が声かけるの見るの嫌だけど、

こっちを向くメイドの若林さん見るのも緊張する。

だから今の俺の顔、めちゃくちゃ複雑。

岩本｢佐久間そのへんにしとけ笑｣

佐久間｢うわっ、翔太顔やっば！｣

｢ …お前のせいだから｣

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( …疲れた……)

照たちが帰って、俺は休憩に入った。

ただでさえこの格好恥ずかしいのに、

若林さんのこといじられるから余計恥ずかしいし。

ちょっと寝よう、と思ってすぐに目を閉じた。

ーーーーー

？｢ …くん、渡辺くん｣

…あれ、誰か呼んでる…………？

この声……あ、若林さんだ。

ってことはこれ、夢かな。

？｢渡辺くん、起きて｣

夢だわ、これ。

若林さんが俺を起こしてくれる夢とか……

俺、そんくらい好きなんだなぁ…。

( …夢ならきっと、気持ちを伝えられるのにな )

そう思っていると、急に体がぐらぐら揺れだした。

( …ちょ、やめて……)

若林さんが揺らしてるのかな、と思って、

肩あたりに触れてる手をつかんだ。

そしてふと、俺は変なことを思った。

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夢なら、自分のしたいようにしていいか、って。

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｢ …………すき… ｣

現実では絶対、言えない言葉。