一匹狼。【Shota.W】 (ページ8)

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｢朱里、やっぱやめない…？｣

河中｢え、何言ってんの大丈夫だから。

友達もサッカー部行ったって言ってたし！｣

私と朱里は体育館の前でプチ会議。

今日のお昼休み、急に朱里が

『放課後バスケ部見に行こう！』

なんて言うから、そのときのノリでとりあえず着いてきたけど…。

真剣そうな掛け声とバッシュの音が聞こえた瞬間、

やっぱりダメじゃない？という思いが出てきた。

しかも入部希望とかじゃなくて、普通に見に行くだけだし…。

なのに朱里はノリノリ。

このまま1人放っておくわけにもいかないし…。

河中｢大丈夫、今日はバスケ部の顧問いないって｣

｢いやそうじゃなくて…｣

バスケ部の方々の目とかあるでしょうよ…！！

そう言おうとしたとき、

河中｢とりあえず行ってみなきゃわかんない！｣

朱里が勢いよく、体育館の入口を開けた。

｢あ''ーーーー…｣

案の定めちゃくちゃ見られてる。

｢…、ん？｣

でもよく見ると、

河中｢あれ、先客いるじゃん｣

既に何人か女の子が体育館の中にいた。

…絶対目的同じなやつだ。

岩本｢あ、見学？ならあっち｣

すぐそばで、シュートの練習をしていた岩本くんがそう言う。

どうやらこういうのには慣れてるらしい。

その証拠に、

一瞬こっちに視線が集まったものの

すぐにそれはなくなって

もう普段どおりの練習に戻っている。

河中｢はーい｣

｢ちょ、ほんとに行くの…!?｣

あっさり朱里は他の女子たちに混ざりに行ってしまう。

なんとなく申し訳なさを感じつつそれに着いていき

ちらっとコートを見ると、

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(……あ)

ボールを選んでいる渡辺くんの後ろ姿が見えた。

部活、ちゃんと来たんだ。

河中｢ん？どしたのA｣

｢え？あ、ううん！なんでもない。

ていうか、見たらすぐ帰るんだからね｣

河中｢えー!?｣

｢えー、じゃない…笑｣

そう言いつつも、

バスケをする渡辺くんを見るのが、

ちょっとだけ楽しみだと感じていたり。