一匹狼。【Shota.W】 (ページ7)

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あれから、渡辺くんと話す機会が増えた。

…と言っても、ノート見せるだけなんだけど。

でも話すのは授業中ばかりで、授業が終わればもう渡辺くんは寝てる。

その瞬間が、なぜかすごく悲しく感じた。

すると、

？｢翔太また寝てんの｣

後ろからそんな声が聞こえて思わず振り返る。

｢あ、｣

岩本｢あ、若林さん。このクラスだったんだ｣

｢うん。なんか久しぶりだね！笑｣

岩本｢たしかに笑｣

そこにいたのは、

去年同じクラスだった岩本照くん。

この歳で筋トレが趣味だって言ってたのが

かなり印象に残ってる。笑

そういえば、彼もバスケ部だったっけ。

岩本｢こいつずっと寝てるでしょ？｣

｢うん、寝てる笑｣

岩本｢今日こそは部活来いよー翔太｣

｢え、行ってないの？｣

岩本｢うん。って言ってもここ3日くらいの話なんだけどね｣

3日…ってことは、ちょうど2年生始まったときくらいのことなんだ。

…なにかあったのかな。

渡辺｢照…、今日は、行く｣

そこで目が覚めたらしい渡辺くん。

顔をしかめながら岩本くんを見上げていた。

岩本｢いや今日はっていうか、今日『から』来て欲しいんだけど笑｣

渡辺｢わかった…｣

岩本｢よし、じゃあな｣

またサボろうとしたら舘さんからもよろしく、

と宮舘くんに釘をさして

教室を出ていった岩本くん。

宮舘くんと岩本くんも知り合いだったんだ。笑

渡辺｢んー……次なに？｣

｢次、は……古典かな、たしか｣

渡辺｢マジかー…｣

ありがとう、と言いながら今度はイヤホンを取り出した彼。

｢…音楽聴くの？｣

渡辺｢うん。もう眠気覚めたから｣

彼の中に、『授業を真面目に聞く』というカテゴリーはどうやらないらしい。

鮮やかなブルーのワイヤレスイヤホンを耳につけてスマホを操作し、窓の外をぼんやり眺めだした。

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…この人はやっぱり、少し変わってる気がする。