32話 ページ35
キラキラと光る撮影現場。
カシャりとなるカメラの音。
そこに立って撮影をするアイドル
私はこの空間が大好きだ。
この空間も、みんなも大好き。
ヒチョルとドンヘくんは気まづくなったりしていないだろうか。
ちゃんと話せているのだろうか。
仲の良かったふたりが私のせいで…なんて…。
「やだなぁ…。」
「何が嫌なの?ヌナ笑」
ドンヘくんが話しかけてくれたのかと思ってハッと顔を上げれば
下をうつむいていた私をひょこっと覗いていたのはヒョクチェだった。
「何その残念そうな顔……笑」
「え、あ、ごめん…。」
「否定しないところがむかつく笑」
そう言ってほっぺたをぎゅーっとひっぱるヒョクチェ。
「い、いひゃいよ笑 ヒョヒュチェ…笑」
ヒョクチェはごめんごめん(笑)と大して悪いとも思っていなさそうな態度でヒョイっと手をはなせば
「んで?ドンヘとはちゃんと話したの?」
と聞いてくるヒョクチェ。
「はなして…はないかも?でも、愛してるってちゃんと伝えたの…笑」
いまさらだよね…笑と少し照れながら伝えようとしたら
「ヌナーーー!!かわいい!照れた顔カワイイ!笑よかった!言えたんだねヌナ!」
わーいわーいと私をギューギューしてくるヒョクチェ。
ヒョクチェの声が大きすぎて周りに注目されてしまった…
「か、かわいくないから!ほら!はなしてよ!」
いつまでもギューギュー引っ付くヒョクチェに呆れてもうほっておこうとしたとき
「ヒョク、ヌナ困ってるでしょ?」
まるで私を助けるかのように現れた
「ドンへ、くん…」
「ヤー、イ・ドンへ笑 かわいいヌナの独り占めはずるいぞ笑」
「そ、そんなんじゃないもん!ほら早く離れて!」
「わかったよほらほら笑あとはごゆっり〜笑」
通りすがりにボソッと
「今度は素直になるんだよ」
と言ってヒラヒラと手を振ってメンバーの元へ戻るヒョクチェ。
「あ、ありがとねドンヘくん」
「あ、ううん。全然…あの、さ。」
「うん?」
「今夜話そう、ヌナの用事がなければ…」
まさかの今夜ですか←
いや、予定なんてないけど今さっきその話をしてたばっかなのに←
という気持ちは閉じ込めて。
「わかった。」
「じゃあ、ヌナのこと待ってるから…」
そう言って彼もメンバーの方へ戻っていった。
「ちゃんと、気持ち全部伝えなきゃ…。」
ヒョクチェに言われたみたいに、素直にならなくちゃ。
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作者名:ありんこ | 作成日時:2015年12月11日 17時